『彼女の友達』は「つまらない作品」と一括りにできる漫画ではなく、タケルへの共感、物語の方向転換、展開のテンポをどう受け止めるかで評価が大きく分かれています。
実際の電子書店レビューを確認すると高評価が多数派である一方、低評価側には「主人公に入り込めない」「途中から求めていた展開と変わった」「話の進み方が合わない」という不満が確認できます。
じゅら先生による漫画『彼女の友達』は、2021年5月6日にヤンマガWebでepisode.1~3が公開されて始まった恋愛漫画です。
連載開始から約1か月で100万PVを突破し、2021年12月16日には1000万PV到達が発表されました。さらに2022年1月20日に発売された単行本第1巻は、翌21日に重版が決定しています。序盤からかなり大きな反響を集めた作品だったことは間違いありません。
それでも『彼女の友達』について調べていると、「つまらないの?」「途中から迷走した?」「タケルにイライラする」と気になる人もいるでしょう。
そこで今回は、作品の内容だけではなく、コミックシーモアに投稿された90件のレビューと評価分布、公式の各巻紹介、現在の連載状況まで確認しながら、「なぜ評価が分かれるのか」を3つの理由に整理します。
単に批判を並べるのではなく、低評価になったポイントが作品のどの特徴と結びついているのかまで見ていきます。
『彼女の友達』漫画は本当につまらない?レビュー評価から先に結論
結論から言えば、『彼女の友達』は電子書店で低評価が多数を占めている漫画ではありません。
2026年9月4日時点のコミックシーモアでは、平均評価は3.9、レビューは90件。内訳を見ると、星5が29件、星4が36件、星3が12件、星2が9件、星1が4件となっています。
評価 レビュー数
星5 29件
星4 36件
星3 12件
星2 9件
星1 4件
つまり星4~5だけで65件あります。一方、明確な低評価にあたる星1~2は13件です。
この数字を見る限り、「ほとんどの読者がつまらないと言っている」という理解は正しくありません。
ただし、ここで重要なのは低評価が存在しないわけでもないことです。
実際に評価の低いレビューまで確認すると、作品への不満はバラバラに見えて、ある程度共通したポイントがあります。
僕がレビューと原作の流れを照らし合わせて整理すると、大きく次の3つです。
- 理由1:主人公・日高タケルの行動に共感しにくい
- 理由2:序盤から物語の方向性が大きく変化する
- 理由3:心理描写や時間軸の使い方によって展開が遅く感じられる
たとえばコミックシーモアでは、主人公がなぜそこまで女性から好かれるのか分からず物語に入り込めないという趣旨のレビューや、もっと展開が速ければ好みだったという意見が確認できます。
また、第1巻で感じたドロドロした雰囲気を期待して続きを読んだものの、次巻の方向性が期待と違ったとするレビューもあります。さらに第3巻について、物語が足踏みしているように感じたという厳しい意見も投稿されています。
ここまで実際の感想を確認すると、「彼女の友達 つまらない」という評価が生まれる理由はかなり具体的に見えてきます。
作品の完成度が一律に低いからではなく、読者が期待する恋愛漫画の気持ちよさと、『彼女の友達』があえて描いている不安定さが衝突している。
僕はまず、ここを押さえておくことが大切だと考えています。
理由1:『彼女の友達』のタケルはなぜイライラすると言われる?
最大の理由の一つは、主人公・日高タケルが、自分の意思でスパッと状況を解決するタイプではないことです。
これは読者が勝手に作ったイメージではありません。
TVアニメ『彼女の友達』公式サイトでも、タケルは「やや気弱で流されやすい性格」と設定されています。カオリと交際していながら、カオリの友人である吉岡トモコとの関係に揺れてしまうこと自体が、物語の根幹に置かれています。
だからこそ、『彼女の友達』ではタケルの「決めきれなさ」が何度も物語を動かします。
一方、読者からすればこれがかなりストレスになる。
コミックシーモアのレビューには、タケルが誘惑に流される展開に納得できないという意見や、「なぜここまでモテるのか分からない」という趣旨の低評価があります。
別のレビューでは、タケルを自制心の弱い人物として厳しく評価する感想も確認できました。
ここが『彼女の友達』のかなり面白いところです。
通常の恋愛漫画では、主人公の決断は読者に爽快感を与える重要な装置になります。
「このヒロインを選ぶ」
「この関係を断ち切る」
「自分の気持ちを告白する」
こうした決断が物語を前へ進ませます。
ところがタケルは、カオリを大切にしたい気持ちと、トモコに引かれる気持ちの間で簡単には整理できません。
読者が欲しい「正解」をなかなか選ばない主人公なんです。
だから「もっとしっかりしてくれ」と思いながら読むことになる。
これは弱点であると同時に、『彼女の友達』という作品が成立する条件でもあります。
仮にタケルが第1話の時点でトモコの接近を完全に拒み、その後も一切迷わない主人公だったら、この三角関係はほぼ始まりません。
つまりタケルの流されやすさは、単なるキャラクター上の欠点ではなく、作品のエンジンそのものでもあるわけです。

僕自身は、タケルを「憧れる主人公」として読むより、選択を間違えたり先延ばしにしたりする人間を観察する主人公として見た方が、この作品には入りやすいと感じています。
ただし、主人公へ感情移入して物語を楽しみたい読者にとっては話が別です。
主人公の選択に納得できない状態が続けば、恋愛のドキドキよりイライラが勝ってしまう。
高評価レビューにはタケルの葛藤を人間らしいと受け取る意見もある一方、低評価側には「そもそもタケルの魅力が分からない」という反応もある。
同じ主人公像が、読者によって「人間臭い」にも「共感できない」にも変わる。
これが評価が割れる最初の理由です。
理由2:『彼女の友達』は途中から迷走した?4巻と5巻で物語が大きく変わる
二つ目の理由は、『彼女の友達』が途中で物語の中心をかなり大胆に変えることです。
「途中から違う漫画みたいに感じる」という人が出るのは、単なる印象論ではありません。
公式の単行本紹介を1巻から追っていくと、4巻と5巻の間に明確な境目があります。
序盤の中心は、もちろんタケル、カオリ、トモコの三角関係です。
第2巻では、カオリという彼女がいながらトモコとの関係にも揺れるタケルが描かれ、第3巻では3人が出会った過去まで掘り下げられます。
そして第4巻。
トモコはグラビアアイドルとして活動を広げ、タケルは医学部を目指して受験勉強、カオリも自分の将来に悩み始めます。
公式紹介では、この巻で3人の想いが絡み合った末に「決着する」ことが明確に示されています。
ここが実質的な第一段階の終着点です。
ところが第5巻になると、公式紹介の冒頭からタケル、カオリ、トモコがそれぞれ別の道へ進んだことが示されます。
トモコは芸能活動を続け、カオリはそれまでとは大きく異なる映像制作の世界へ入り、新しい仕事に向き合うようになります。
この変化はかなり大きいですよね。
1~4巻で読者を引っ張っていた最大の疑問は、
「タケルはカオリとトモコの間でどうするのか?」
でした。
しかし5巻以降は、
「あの三角関係を経験した3人が、その後どう生きるのか?」
という物語へ重心が移っていきます。
だから、第1巻の危うい三角関係を最大の魅力だと思っていた人ほど、方向転換を強く感じます。
実際、コミックシーモアには第1巻の雰囲気を気に入り、続きを期待していたものの、第2巻で期待との違いを感じたという低評価レビューがあります。
さらに5巻発売時期のレビューでも、カオリが新しい世界へ進む急な変化や、タケルとトモコの出番・3人の感情描写が少なく感じられた点を気にする声が確認できます。
つまり「迷走した」という感想の裏には、かなり明確な理由があります。
読者が最初に買った作品の魅力と、連載が長期化した後に作者が描こうとしているテーマが同じではないんです。
ただ、僕はここを単純な迷走とも言い切れないと思っています。
なぜなら4巻できちんと三角関係に一つの区切りを置いたうえで、5巻から次の人生を描いているからです。
もしタケルが延々とカオリとトモコの間を往復するだけなら、今度は「同じ展開ばかり」と批判されていた可能性もあります。
そこで作品は、恋愛関係そのものから、その恋愛によって人生がどう変わったのかへテーマを拡張した。
僕はこの構造を、「三角関係を描く漫画」から「三角関係の後遺症まで描く漫画」への変化だと捉えています。
そして、この変化が成功だったのかどうかは、最終的に3人の人生がどこへ収束するかによって評価が変わるでしょう。
理由3:『彼女の友達』は話が進まない?テンポと時間軸が好みを分ける
三つ目は、ストーリーの進み方そのものが読者を選ぶことです。
実際のレビューにも、もう少し展開が速ければ好みだったという意見があります。
第3巻について「足踏みしているように感じた」とした読者や、シーンとシーンのつながりが飛んでいるように感じたという批判も確認できます。
一見すると「遅い」と「飛ぶ」は正反対ですよね。
でも、この二つが同時に出てくるところに『彼女の友達』の特徴があります。
この漫画は、一直線に現在の出来事だけを追い続ける作品ではありません。
第3巻ではタケル、カオリ、トモコの出会いや過去が描かれます。
さらに第6巻では、物語の時間を高校卒業前まで戻し、タケルとトモコが再び向き合った時期を描く一方、現在ではカオリが新しい環境で成長していく姿が進行します。
これによって人物の心理は補強されます。
「なぜあのとき、あの選択をしたのか」
「別れた後、それぞれ何を抱えて生きているのか」
こうした部分を後から埋める構成になっているわけです。
ただ、読者が知りたいのが「現在の3人は最終的にどうなるの?」という一点なら、過去編へ戻るたびに話が止まったように感じるでしょう。
反対に、過去の出来事を知ることで現在の行動に意味が生まれるタイプのドラマが好きなら、この寄り道そのものが面白くなります。
ここは完全に作品との相性です。
さらに『彼女の友達』では、刺激的な出来事そのものより、視線や沈黙、迷いといった感情の揺れにページを使う場面があります。
そのため、一気に事件が連続する漫画と比べると「進行が遅い」と感じやすい。
僕は、ここで一つ重要なことがあると思っています。
『彼女の友達』のテンポ問題は、単純に遅いのではなく、「読者が待っている答え」と「作品が今描いている答え」が違う時間が長いことなんです。
「早く3人の結末を見せてほしい」という読者に対して、作品は「その前に、それぞれがどう変わったのかを見てほしい」と描き続ける。
このズレが長くなるほど、「引き延ばし」「足踏み」と感じる読者が出てくる。
ここは長期連載ものとして、かなり大きな評価ポイントだと思います。
それでも『彼女の友達』が支持される理由は?現在はepisode.130まで連載
低評価の理由を見てきましたが、それだけで『彼女の友達』全体を判断するのも公平ではありません。
2026年9月4日時点でも作品は継続中です。
ヤンマガWebでは2026年8月27日にepisode.130が公開されており、作品ページには「木曜更新」と明記されています。従来の記事にあった「episode.115まで」という情報はすでに古く、現在確認できる最新公開話はepisode.130です。
単行本最新第7巻は2026年7月17日に発売。
第7巻では、トモコが芸能活動の中で新たな主演依頼に向き合い、カオリも自分の企画を実現するため仕事上の問題と向き合います。高校時代の恋愛だけではなく、二人が仕事を通じて自分自身の価値観を作っていく段階まで物語が進んでいます。

人気面でも、連載開始約1か月で100万PV、2021年12月には1000万PV、第1巻は発売翌日に重版という初期実績があります。
さらに2024年11月に公開されたフルカラー版の公式紹介では、シリーズ累計80万部突破が明記されました。
2026年5月6日には連載5周年を迎え、同じタイミングでTVアニメ化も発表されています。
つまり、批判的な感想が存在している一方で、作品を追い続ける読者も相当数いるわけです。
僕がその理由として大きいと思うのは、「好きな主人公だから読む」だけではない強い引きがあること。
タケルの行動に納得できない。
カオリの選択にも驚かされる。
トモコが何を考えているのか読めない。
それでも「じゃあ最後はどうするんだ?」が残り続けます。
これはかなり特殊な読ませ方です。
爽快感によって次のページをめくらせる漫画ではなく、モヤモヤそのものを次のページへの引力に変えている。
そこに、じゅら先生の描くキャラクターの表情や関係性の緊張感が加わっています。
コミックシーモアでも絵の美しさや登場人物の魅力、複雑になっていく物語を高く評価するレビューが確認でき、90件中65件が星4または星5です。
評価の割れ方まで含めて、人によって刺さるポイントがかなり違う作品なのでしょう。
『彼女の友達』は今後どう評価される?アニメ化も含めて考察
ここからは僕自身の考察です。
『彼女の友達』の最終的な評価を決めるのは、5巻以降に広げた物語を、もう一度タケル・カオリ・トモコの3人へ結び直せるかだと思っています。
4巻までで描かれたのは、主に「誰を好きなのか」「誰を選ぶのか」という恋愛の問題でした。
5巻以降では、それぞれの仕事や将来、自立へテーマが広がっています。
ここで特に面白いのが、カオリとトモコの変化です。
序盤ではどうしても二人は「タケルを中心とした三角関係の二人」として見えやすい。
しかし後半になるほど、トモコは芸能活動、カオリは仕事という、それぞれタケルとは別の軸を持ち始めます。
これは長期連載だからこそできる変化です。
「主人公がどちらを選ぶか」だけだった二人が、「自分は何を選ぶのか」を持つ人物へ変わっていく。
個人的には、ここが5巻以降を読む一番面白いポイントだと思っています。
ただし、この広げ方には条件があります。
仕事や新しい人間関係を描いた結果、最初の三角関係と完全に切り離されてしまえば、「途中から別作品になった」という批判は残るでしょう。
逆に、それぞれが別々の人生を経験したからこそ、高校時代の関係に新しい答えを出せるのであれば、現在「遠回り」に見えている展開の評価が変わる可能性があります。
僕は、4巻までが恋愛の結果、5巻以降がその結果を背負って生きる時間だと見ています。
この二つが最後につながれば、『彼女の友達』は単なる三角関係ものではなく、「若い時期の選択が人生に何を残すのか」を描いた作品として一本筋が通る。
そこまで描き切れるかどうかが非常に気になります。
そして、もう一つの転機が2026年10月から放送予定のTVアニメです。
公式発表では、監督は安ドウタカシさん、シリーズ構成は白樹伍鋼さん、キャラクターデザインは岩田竜治さん、アニメーション制作はQuad。日高タケル役を永池瑠雅さん、古河カオリ役を羽紫さや花さん、吉岡トモコ役を長谷美希さんが担当します。
アニメについてはこの記事の主題ではないので詳しくは広げませんが、注目したいのはやはりテンポでしょう。
原作で「間が長い」「タケルの気持ちが分かりにくい」と感じられた部分も、声の演技や表情、映像上の間によって印象が変わる可能性があります。
逆に、迷いを長く見せればアニメでも停滞感が強くなるかもしれない。
原作の評価が割れているポイントを、映像化がどう料理するのか。
ここは2026年秋以降、『彼女の友達』という作品そのものの評価にも影響してきそうです。
まとめ:『彼女の友達』がつまらないと言われるのは「作品と期待のズレ」が大きい
『彼女の友達』漫画が「つまらない」と評価される理由を実際のレビューまで確認すると、大きく3つに整理できます。
理由1は、タケルが流されやすく、主人公として感情移入しにくいこと。
理由2は、4巻で三角関係が一度決着し、5巻以降で仕事や人生まで扱う物語へ大きく方向転換すること。
理由3は、過去編や心理描写を挟む構成によって、現在の結末を早く知りたい読者には進みが遅く感じられることです。
実際、コミックシーモアのレビューにも主人公への疑問、展開の速度、巻をまたいだ方向性の変化に対する不満が確認できました。
ただし、2026年9月4日時点の同サイトでは平均3.9・90件で、星4~5が65件、星1~2は13件。
少なくとも「読者の大半が低評価」という作品ではありません。
そして連載も終了していません。
ヤンマガWebでは2026年8月27日にepisode.130が公開され、木曜更新として掲載中。単行本第7巻は2026年7月17日に発売され、2026年10月からはTVアニメも放送予定です。
僕が作品全体を追って感じるのは、『彼女の友達』は「途中から面白くなくなった漫画」というより、「途中で面白さのルールを変えた漫画」だということです。
序盤は、タケル・カオリ・トモコの危うい三角関係が中心。
後半は、その関係を経験した3人がそれぞれどんな人生を選ぶのかが中心になります。
この変化を「深くなった」と感じるか、「求めていたものと違う」と感じるか。
そこが、『彼女の友達』を面白いと感じる人と、つまらないと感じる人の最大の分岐点なのでしょう。
よくある質問
『彼女の友達』漫画は低評価が多い?
低評価が多数派という状況ではありません。
2026年9月4日時点のコミックシーモアでは平均評価3.9、レビュー90件。星5が29件、星4が36件なのに対し、星2は9件、星1は4件です。
ただし低評価レビューには、タケルへの共感の難しさ、物語の方向転換、展開のテンポなど具体的な不満も確認できます。
『彼女の友達』はなぜ途中から迷走したと言われる?
大きな理由は、4巻と5巻で物語の構造が変わるからです。
4巻ではタケル、カオリ、トモコの想いに一つの決着が描かれ、5巻では3人がそれぞれ別の道へ進みます。その後は恋愛だけでなく、仕事や将来、自立まで物語のテーマが広がっていきます。
そのため、序盤の三角関係を目的に読み始めた人ほど方向転換を強く感じやすい作品です。
『彼女の友達』漫画は打ち切りになった?
2026年9月4日時点で打ち切りにはなっていません。
ヤンマガWebでは木曜更新と案内されており、2026年8月27日にepisode.130が公開されています。単行本第7巻も2026年7月17日に発売され、2026年10月からTVアニメの放送も予定されています。
執筆:涼風 結人(アニメ情報ナビゲーター)


