『ガンダム ジークアクス』は一年戦争と同じ時間軸？年表で読み解く世界観の違い

2025年に公開された『機動戦士ガンダム ジークアクス』は、従来のファンだけでなく新規ファンの間でも話題となっています。

本作が「一年戦争」と関係あるのか、どの時間軸に位置するのかは多くの人が気になるポイントです。

この記事では、ジークアクスの時代設定を年表で整理しながら、宇宙世紀とのつながりや世界観の違いをわかりやすく解説していきます。

ジークアクスは宇宙世紀U.C.0085が舞台！

『機動戦士ガンダム ジークアクス』の物語は、宇宙世紀U.C.0085という、一年戦争から5年後の時代に設定されています。

この時代は公式設定上、「Zガンダム」（U.C.0087）の直前にあたる時代で、ガンダムシリーズでも空白となっていた重要な時期です。

『ジークアクス』では、その空白に新たな歴史の“もしも”を描く仮想戦記というスタイルで切り込んでいます。

舞台は一年戦争終結から5年後

宇宙世紀U.C.0079に起こった一年戦争は、『機動戦士ガンダム』で描かれた地球連邦とジオン公国の戦争です。

『ジークアクス』はその戦後5年、U.C.0085という激動の時代にフォーカスしています。

この時期のガンダム作品は少なく、ジオンの勝利を描いた「IF世界線」という形で展開される本作は、ファンにとって新鮮な衝撃を与える内容です。

『ジークアクス』は「ジオンが一年戦争に勝利していたら？」という仮定に基づく物語であり、公式の宇宙世紀とは異なる世界線のストーリーである。

Zガンダムより前の時代設定

「Zガンダム」は宇宙世紀U.C.0087を舞台としています。

『ジークアクス』の舞台であるU.C.0085は、そのわずか2年前であり、政治的にはティターンズが台頭し始める直前の時期です。

つまり、Zガンダムの登場人物たちがまだ表舞台に立つ前の段階であり、ジオンの残党が勢力を維持しているIF設定は、歴史を塗り替える魅力があります。

一年戦争とは？基本の時系列を確認

『機動戦士ガンダム』シリーズにおいて最も根幹となる戦いが一年戦争です。

この戦争は、地球連邦とジオン公国の全面衝突として、宇宙世紀の歴史に決定的な転換をもたらしました。

ここでは、その開戦から終結までの流れを、わかりやすい時系列とともに整理して解説します。

宇宙世紀0079年：一年戦争開戦

一年戦争はU.C.0079年1月3日に、ジオン公国が地球連邦に宣戦布告したことから始まります。

この戦争の背景には、スペースノイドの自治権要求や、ジオン・ズム・ダイクンによるジオニズム思想の台頭がありました。

開戦直後に起こった「一週間戦争」では、核兵器・毒ガス・コロニー落としが用いられ、人類人口の半数にあたる55億人が死亡する大惨事となります。

「ジオン公国は開戦初期にコロニー落としを敢行し、地球の人口の半数を失わせた。これにより、地球連邦とジオンは“南極条約”を締結した」

一年戦争の終結とその後の歴史

戦争は膠着状態の後、連邦軍のV作戦により開発されたMS「RX-78-2ガンダム」が戦況を変えました。

その後、量産機ジムの登場と連邦の反攻作戦「星一号作戦」により、ジオン公国は宇宙における主導権を失います。

そしてU.C.0080年1月1日、ジオン共和国が樹立され戦争は終結しました。

一年戦争は、その後の宇宙世紀のすべての戦乱の根源となりました。

『Zガンダム』のグリプス戦役や『逆襲のシャア』、さらには『UC』『NT』といった作品にも直接的に影響を与える、宇宙世紀最大の転換点です。

ジークアクスと正史ガンダムの世界観の違い

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX（ジークアクス）』は、従来のガンダムシリーズとは一線を画す世界観を持つ作品です。

本作の最大の特徴は、一年戦争においてジオン公国が勝利したという「IF（もしも）」の視点から物語が展開される点にあります。

これにより、既存の宇宙世紀とは異なる歴史と政治構造が描かれ、新たな価値観や立場で描かれるキャラクターたちが登場します。

「IFストーリー」としての位置づけ

ジークアクスは、宇宙世紀U.C.0085を舞台としながらも、従来の「連邦勝利の正史」から分岐したもう一つの宇宙世紀を描いています。

つまり、「ガンダム」という世界を土台としつつも、過去作の出来事が違う結果を迎えていたらどうなっていたかという仮定が物語の根幹です。

このような設定は、いわば“歴史改変シミュレーション”であり、ガンダムシリーズでは異例ともいえる試みです。

ジークアクスの物語は「正史」の続きではなく、「一年戦争にジオンが勝利した場合の仮想宇宙世紀」を描いた異世界的視点で展開される。

ジオン勝利ルートという新たな歴史観

従来の宇宙世紀において、ジオン公国は戦争に敗れ連邦の統治下に置かれました。

しかし、ジークアクスではジオンが一年戦争を制し、地球連邦を押し返した未来が描かれています。

これにより、ジオンが統治側に回る世界となり、キャラクターの思想、社会制度、モビルスーツの設計思想などにも大きな違いが見られます。

このように、ジークアクスは宇宙世紀の“裏の可能性”を描いた異色のガンダム作品です。

正史との違いを知ることで、より深く作品を楽しめることでしょう。

年表で比較する！ジークアクスとガンダムの主な作品群

ガンダムシリーズは多くの作品が宇宙世紀（U.C.）という共通の時代設定を持っています。

その中で『ガンダム ジークアクス』は、これまでの作品群とは異なる立ち位置を持ち、宇宙世紀0085年という空白期間を舞台に、斬新な物語を展開しています。

ここでは主要な宇宙世紀作品とその時代背景、そしてジークアクスが示す新たな時代区分について比較していきます。

宇宙世紀主要作品とその時代背景

宇宙世紀シリーズは、U.C.0079の一年戦争を中心に展開され、その後の政変・内戦・テロなどが続く構造になっています。

下記の表は、宇宙世紀における主要なガンダム作品とその年号です。

ジークアクスが示す新たな時代区分

ジークアクスが位置するU.C.0085年は、これまで本編作品が描いてこなかった時代です。

この時代に、ジオンが地球連邦を圧倒し、勝利を収めていたという設定が加わることで、従来とは全く異なる社会秩序やキャラクター像が形成されます。

また、戦争の記憶と勝者としてのジオンという立場から、過去の正義と悪の概念を相対化する視点も提示されています。

「ジークアクス」は、宇宙世紀における“もしもジオンが勝っていたら”という空白の2年間を埋める、極めて実験的かつ挑戦的な作品である。

【年表で整理】ガンダム ジークアクスと一年戦争の時系列まとめ

『ガンダム ジークアクス』は、ガンダムシリーズの中でも異色の存在として語られます。

その理由は、一年戦争後を描きながらも「ジオンが勝利した」というIF（仮想）の世界観にあります。

ここでは、これまで紹介してきた情報を年表にまとめながら、本作が示す新たな歴史像を総括します。

ジークアクスは一年戦争後の仮想世界

宇宙世紀U.C.0079で勃発した一年戦争は、地球連邦の勝利によって終結したのが正史の流れです。

しかし『ジークアクス』では、その歴史が改変されており、ジオン公国が勝利した後のU.C.0085を舞台としています。

これは、まさに「もうひとつの宇宙世紀」と呼べるもので、既存の価値観を再定義する可能性を秘めています。

ジークアクスは「もしも一年戦争でジオンが勝っていたら？」という視点で描かれる歴史改変型ガンダム作品である。

新たなガンダムの歴史を楽しもう

ガンダム作品の魅力のひとつは、その奥深い時代背景と政治的対立にあります。

『ジークアクス』はその文脈の中にありながら、「勝者ジオン」という斬新な切り口で、ファンに新たな問いを投げかけています。

正史とは異なる展開を辿ることで、既存作品の理解をより深めたり、まったく新しい価値観に触れることができるのも本作の魅力です。

今後、ジークアクスをきっかけにさらに派生するIF作品が登場するかもしれません。

歴史に“もしも”を加えることで、ガンダムはまだまだ進化を続けていきます。