本田カブラは、七草ハルに恋して吸血鬼となり、幼い七草ナズナを数年間育てた元病弱な女性です。
『よふかしのうた』では、ナズナの出生を知る重要人物であり、彼女の過去や「人間時代の記憶がない理由」を解き明かすカギを握っています。
クールで大人びたカブラさんですが、その内側にはハルへの未練、ナズナへの母性、置き去りにされた寂しさが複雑に絡み合っています。感情の情報量が、深夜のラーメン全部乗せ級です。
この記事を読むとわかること
- 本田カブラの正体と「ほんだかぶら」という名前の読み方
- カブラが吸血鬼になった経緯と人間時代の過去
- 七草ハル、七草ナズナ、夜守コウとの関係
- 七草ナズナの正体と人間時代の記憶がない理由
- 第63夜「カブラちゃんへ」の内容と「久…」の意味
- アニメSeason2第4夜・第5夜の注目ポイント
- 声優・伊藤静さんが引き出したカブラの魅力
※この記事には、原作漫画およびアニメSeason2のネタバレが含まれます。
本田カブラの正体とは?「ほんだかぶら」が正しい読み方
本田カブラは、病弱な人間から吸血鬼になり、現在は病院で働いているナズナの知り合いです。
読み方は「ほんだ かぶら」。検索では「本田カブラ」「ほんだかぶら」「カブラさん」のほか、「よふかしのうた かぐら」と調べられることもありますが、正しい名前はカグラではなくカブラです。
アニメ版では伊藤静さんが声を担当しています。公式サイトでは、ナズナと親しくする夜守コウに興味を持ち、彼を連れ去った吸血鬼として紹介されています。
項目 本田カブラの基本情報
名前 本田カブラ
読み方 ほんだ かぶら
種族 吸血鬼
人間時代 病弱で入退院を繰り返していた
人間時代の主治療環境 七草ハルが看護師として働く病院
吸血鬼化のきっかけ 七草ハルへの恋と吸血
現在の仕事 病院勤務の看護師
七草ナズナとの関係 数年間世話をした育ての親に近い存在
夜守コウとの関係 ナズナの過去を伝える証言者・助言者
アニメ版声優 伊藤静
カブラはどのような性格の吸血鬼?
カブラは、落ち着きのある大人びた女性です。
コウを有無を言わせず連れ去る大胆さがあり、ほかの吸血鬼たちと同様、人間を魅了することにも慣れています。初登場時だけを見ると、つかみどころのない危険なお姉さんという印象でしょう。
しかし、カブラの本質は単純な「クール系吸血鬼」ではありません。
過去の傷を表面に出さないよう振る舞っているだけで、実際にはかなり情が深く、一度大切にした相手への思いを簡単には手放せない人物です。
ハルへの感情も、ナズナへの感情も、きれいに整理できていません。だからこそ言葉と行動が少し矛盾し、その矛盾が人間らしい魅力になっています。
病院で働き続けている理由は?
カブラは吸血鬼になった後も、かつて入院していた病院とのつながりを保っています。
病院は、カブラが弱い人間だった頃を象徴する場所です。同時に、人生を変えた七草ハルと出会った場所でもあります。
吸血鬼の弱点は、人間時代に強い思い入れを持っていた物です。そのため、普通であれば過去につながる場所や私物は、危険を避けるために遠ざけたくなるでしょう。
それでもカブラは病院から離れず、人間時代の血液や写真も残していました。
筆者としては、これは単に昔の職場が気に入っているからではなく、ハルとの時間を捨てきれないカブラの未練を表す描写だと考えています。
過去を忘れたいと言いながら、その過去の中心に住み続けているわけです。感情というものは、住所変更の手続きほど簡単にはいきません。
本田カブラの過去とは?七草ハルとナズナ出生の秘密
カブラは人間だった頃、病弱で入退院を繰り返しており、担当看護師だった七草ハルに恋をして吸血鬼になりました。
七草ハルは、ナズナと見間違えるほどよく似た容姿を持つ看護師です。アニメ公式サイトでも、患者だった頃のカブラと一緒に写真へ写る、カブラの過去につながる女性として紹介されています。
人間時代のカブラは病弱だった
人間だった頃のカブラは身体が弱く、入院と退院を繰り返していました。
自由に走ったり、好きな場所へ出かけたりすることが難しい生活のなかで、カブラの面倒を見ていたのが看護師の七草ハルです。
ハルは明るく、つかみどころがなく、患者と看護師という距離を軽々と飛び越えてくる人物でした。
病室という閉じられた世界で過ごしていたカブラにとって、ハルは外の世界から吹き込む夜風のような存在だったのでしょう。
アニメSeason2第4夜のタイトル「走れるようになりたいかい?」も、身体の弱かったカブラとハルの関係を象徴しています。
この問いは、単に足が速くなりたいかという話ではありません。
自由に生きたいか、今までとは違う自分になりたいかという、カブラの人生そのものに関わる問いかけです。
カブラが吸血鬼になった経緯
『よふかしのうた』の世界では、吸血鬼に血を吸われただけで、すぐ吸血鬼になるわけではありません。
人間が自分の血を吸った吸血鬼へ恋をすることで、その人間は吸血鬼の眷属になります。コウがナズナに恋をしようとしているのも、この条件があるためです。
カブラは看護師のハルに惹かれ、やがて血を吸われて吸血鬼になりました。
つまり、カブラの吸血鬼化は病気を治療するためだけに行われたのではなく、ハルへの恋が成立条件になっていたのです。
人間だったカブラは、ハルと出会ったことで健康な身体と自由を手に入れました。
一方で、その自由を与えたハルは、カブラのもとに永遠に残ってはくれませんでした。
救われたことと置き去りにされたことが同時に存在しているため、カブラはハルを単純に感謝すべき恩人としても、嫌うべき相手としても整理できません。
七草ハルとカブラは恋人だった?
カブラがハルに恋をしていたことは物語から読み取れますが、二人が正式な恋人関係だったとは明言されていません。
吸血鬼になる条件を踏まえれば、カブラがハルへ恋愛感情を抱いていた可能性は非常に高いと考えられます。
ただし、ハルがカブラの思いをどのように受け止めていたのか、二人が交際を約束していたのかまでは、はっきり描かれていません。
ハルはカブラに親しく接し、彼女の人生を大きく変えました。
その一方、別の男性との間にナズナをもうけ、最終的にはその娘をカブラへ託しています。
カブラの立場からすれば、惚れた女性が別の男性との子どもを連れて現れ、その世話を頼んで去ってしまったことになります。
事情だけ並べると、なかなかの高難度ミッションです。心の準備期間、ほぼゼロです。
七草ナズナの正体は生まれながらの吸血鬼
「七草ナズナの正体」を調べている人に向けて結論を言うと、ナズナは七草ハルから生まれた、生まれながらの吸血鬼です。
多くの吸血鬼は、もともと人間として暮らしていた記憶を持っています。
ところがナズナには、人間だった頃の記憶がありません。
その理由は、ナズナが人間から吸血鬼へ変化したのではなく、最初から吸血鬼として誕生したためです。
この事実が判明するまでは、ナズナ本人も「自分の人間時代を覚えていない」と考えていました。
しかし、忘れたのではありません。そもそもナズナには、思い出すべき人間時代が存在していなかったのです。
小学館による原作第7巻の紹介でも、ナズナの人間時代の記憶を探すコウたちがカブラに接触し、カブラの血に残る記憶からナズナの秘密へ迫る流れが案内されています。
なぜハルはナズナをカブラに託した?
ハルがカブラを頼った明確な理由は、すべて言葉で説明されているわけではありません。
ただし、ハルがカブラを信頼していなければ、自分の娘を任せることはできなかったでしょう。
ハルにとってカブラは、自分が吸血鬼にした眷属であると同時に、ナズナの事情を受け入れられる数少ない相手でした。
また、ナズナとカブラは血縁関係こそありませんが、吸血鬼としてハルを中心に結びついた家族ともいえます。
カブラにとっては残酷な頼みでも、ハルにとっては最も信頼できる相手へのお願いだった可能性があります。
このすれ違いが切ないところです。
ハルは信頼したから預けた。カブラは愛していたから断れなかった。しかし、愛していたからこそ傷ついた――という、感情の三段重ねになっています。
カブラとナズナ・夜守コウの関係性とは?
カブラはナズナにとって育ての親に近い存在であり、夜守コウにとってはナズナの過去を知る証言者です。
カブラは単なる吸血鬼仲間ではありません。
ナズナ、ハル、コウをつなぎ、作品における「恋」「家族」「吸血鬼の誕生」という三つのテーマを結びつけています。
カブラとナズナは母娘なのか
カブラとナズナに血縁関係はありません。
ただし、ハルから幼いナズナを託され、数年間一緒に暮らしていたため、関係性としては育ての親と娘に近いといえます。
人物 ナズナとの関係
七草ハル ナズナを産んだ実母
本田カブラ 数年間世話をした育ての親に近い存在
夜守コウ ナズナに恋をしようとしている少年
鶯餡子 ナズナの過去と深い因縁を持つ探偵
カブラは、ナズナを優しくかわいがるだけの保護者ではありません。
ナズナを見るたびにハルを思い出し、愛情と苛立ちの両方を感じています。
そのため二人の距離感は、一般的な仲良し親子とは少し異なります。
カブラはナズナを大切に思いながら、積極的に母親を名乗ろうとはしません。ナズナもカブラへ強く依存せず、ある程度の距離を取っています。
それでも、完全に他人として切り離すことはできません。
離れていても家族であり、素直になれなくても大切な相手。この不器用なつながりが、カブラとナズナの関係の魅力です。
カブラと夜守コウの関係
カブラは初登場時、ナズナと親しくしているコウに興味を持ち、彼を連れ去りました。
ほかの吸血鬼たちと同様に、コウを眷属候補として意識していた面もあります。
しかし物語が進むと、カブラはコウにとってナズナの過去を教える重要な人物になります。
コウはナズナに恋をして吸血鬼になろうとしていますが、肝心のナズナが何者なのかを十分に知りませんでした。
カブラの記憶を知ることは、コウがナズナを表面的な魅力だけでなく、出生や過去も含めて理解するきっかけになります。
カブラはコウへ答えを押しつける先生ではありません。
むしろ、ナズナとどこまで向き合うのかを問い返す、精神的な試金石として機能しています。
カブラの血から過去を見る仕組み
ナズナの出生を調べるため、カブラは人間時代の自分の血液を利用します。
吸血鬼が血を飲むと、そこに残る記憶や感情へ触れられることがあります。
カブラの病院には、人間だった頃に採取された血液が残されていました。
ナズナはその血を飲むことで、病室で過ごしていたカブラと看護師のハル、そして二人の間にあった感情を追体験します。
ここで重要なのは、カブラが口頭で過去を説明するだけではないことです。
ナズナ自身が血を通じてカブラの感情に触れるため、ハルがどのような人物だったのかだけでなく、カブラがハルをどれほど大切に思っていたかまで伝わります。
説明書を読むのではなく、感情ごとダウンロードするようなものです。吸血鬼の記憶共有、情報量が重い。
カブラはナズナにハルを重ねている
ハルとナズナは、親子ということもあって非常によく似ています。
カブラは成長したナズナの顔を見るたびに、自分を残して去ったハルを思い出していました。
そのため、ナズナ本人へ向けた感情と、ハルへ向けた感情が混ざってしまうことがあります。
ナズナを抱きしめる行動にも、育てた娘への愛情だけでなく、もう会えないハルへの寂しさが重なっています。
筆者がカブラを魅力的だと感じる最大の理由は、この感情がきれいに分類されていない点です。
母性、恋愛感情、恨み、未練、責任感が全部混ざっている。だからカブラの態度は矛盾しますが、その矛盾こそが彼女を生々しい人物にしています。
第63夜「カブラちゃんへ」とアニメSeason2の注目ポイント
原作第63夜「カブラちゃんへ」とアニメSeason2第4夜・第5夜は、カブラの過去とナズナの出生が明かされる重要エピソードです。
第63夜「カブラちゃんへ」は、サンデーうぇぶりで2021年7月16日に公開されました。
原作コミックスでは第7巻に収録され、カブラの人間時代、七草ハルとの出会い、ナズナとの関係が描かれます。
第63夜「カブラちゃんへ」の内容
コウとナズナは、ナズナの人間時代の手掛かりを探すため、カブラが働く病院を訪れます。
その病院には、幽霊が出るとうわさされる立ち入り禁止の307号室がありました。
ナズナが部屋に入ると、患者だった頃のカブラと、ナズナにそっくりな看護師が一緒に写った写真を発見します。
その看護師こそが七草ハルです。
カブラは人間だった頃の血液をナズナへ飲ませ、ハルとの過去を見せます。
ここでナズナは、自分に人間時代の記憶がない理由と、自分がどのように誕生したのかを知ることになります。
このエピソードの中心は、カブラが育ての親として反省する話だけではありません。
より大きなポイントは、ナズナが自分のルーツを知り、カブラが封じていたハルへの感情と向き合うことです。
「久…久しぶりじゃない、ナズナ」の意味
カブラがナズナと再会した際に発する「久…久しぶりじゃない、ナズナ」という言葉は、読者の間で考察されている場面です。
公式に一つの答えが明言されているわけではありません。
ただし、前後の描写を踏まえると、主に次の二つの読み方ができます。
- ナズナへ「久しぶり」と言いかけたものの、以前会っているため言い直した
- ハルと瓜二つのナズナを見て、ハルへ「久しぶり」と呼びかけそうになった
筆者としては、ハルに呼びかけかけたという解釈が最も自然だと考えています。
カブラにとってナズナの顔は、育てた子どもの顔であると同時に、愛したハルの顔でもあります。
一瞬だけ目の前の人物がナズナではなくハルに見え、過去の感情が口からこぼれかけたのではないでしょうか。
「久」という一文字だけで、長年押し込めていた未練が見える。コトヤマ作品らしい、説明しすぎない演出です。
なお、「久遠という名前を言いかけた」「古風な挨拶だった」といった説も見られますが、それを裏付ける作中の情報はありません。
考察を楽しむ余地はありますが、確定情報として扱わないようにしましょう。
アニメSeason2第4夜「走れるようになりたいかい?」
アニメSeason2第4夜では、コウとナズナがカブラの勤務する病院を訪れ、307号室を調査します。
公式あらすじでも、部屋に残された写真に患者姿のカブラと、ナース姿のナズナに似た女性が写っていたことが示されています。
第4夜は謎を提示する回です。
- なぜナズナに人間時代の記憶がないのか
- 写真の看護師は誰なのか
- カブラは何を隠しているのか
- 307号室には何が残されているのか
病院という閉鎖的な空間、立ち入り禁止の病室、古い写真が組み合わさり、普段の軽快な夜遊びとは異なるミステリアスな雰囲気が生まれています。
アニメSeason2第5夜「あなたと過ごした数年間」
第5夜では、写真の看護師・七草ハルの正体と、カブラが吸血鬼になった経緯、ナズナの出生が明かされます。
公式あらすじでも、カブラの口から語られるハルの真相によって、カブラの吸血鬼化とナズナの出生の秘密が判明する回とされています。
タイトルの「あなたと過ごした数年間」は、カブラとナズナが一緒に暮らした時間を指していると考えられます。
カブラはナズナへ冷たい言葉を向けることがあります。
しかし、本当に何の感情もなければ、数年間の記憶を大切に抱え続けることはありません。
言葉では突き放しながら、行動や表情には愛情がにじむ。この「言っていることと顔が違うぞ、カブラさん」という不器用さが見どころです。
原作とアニメの違い
アニメSeason2の大筋は、原作の夜間病院編に沿っています。
そのうえで、アニメでは次の要素によってカブラの感情が伝わりやすくなりました。
表現 原作漫画 テレビアニメ
カブラの沈黙 コマの間や表情で表現 尺、息遣い、声の間で表現
ハルとの記憶 白黒の絵と構図が中心 色彩、光、音楽を加えて映像化
ナズナとの距離 台詞と視線で示す 声色や動作も含めて表現
病院の雰囲気 読者の想像に委ねる部分がある 照明や環境音で不穏さを強調
元記事で語られがちな「大幅なアニメオリジナル展開」というより、原作の感情を映像ならではの方法で補強したと見るほうが適切です。
原作にない一瞬の動きや間が加わっていても、人物関係や出生に関する設定そのものが変更されたわけではありません。
声優・伊藤静が演じるカブラの魅力
アニメ版で本田カブラを演じているのは伊藤静さんです。
七草ハルを演じる内田真礼さんとともに、アニメSeason2のカブラ編を声の芝居で支えています。アニメーション制作はライデンフィルム、監督は板村智幸さんです。
カブラは感情を大声でぶつけるキャラクターではありません。
そのため、演技では台詞そのものより、声をわずかに揺らすタイミングや、言葉を発する前の沈黙が重要になります。
伊藤静さんの落ち着いた中低音は、カブラの包容力と大人びた雰囲気によく合っています。
一方、ハルやナズナが関係する場面では、普段の余裕が少しずつ崩れ、声に寂しさや苛立ちが混ざります。
筆者が特に注目したいのは、感情を激しく表へ出すのではなく、抑えようとしても隠しきれない状態を声で表現していることです。
カブラは泣き叫ぶより、平静を装うほうがつらさの伝わる人物です。伊藤静さんの演技は、その性格をしっかり理解したアプローチだと感じました。
カブラがファンから注目される理由
カブラが支持される理由は、強く美しい吸血鬼だからだけではありません。
主な魅力は次のとおりです。
- 病弱だった人間時代と、強い吸血鬼になった現在のギャップ
- 七草ハルへの愛情と未練
- ナズナを育てた母性的な一面
- 優しさを素直に表現できない不器用さ
- コウへナズナの過去を伝える物語上の重要性
- 伊藤静さんの落ち着いた声と繊細な感情表現
カブラは、初登場時の「妖艶な吸血鬼」という印象から、過去編を経て見え方が大きく変化します。
最初は怖かった人物が、事情を知った瞬間に切なく見えてくる。この印象の反転が、キャラクターとしての強さです。
本田カブラの役割を考察|なぜ物語に欠かせないのか
カブラの最大の役割は、ナズナの出生を明かすことではなく、吸血鬼にも消せない人間的な感情があると示すことです。
カブラは吸血鬼になり、病弱だった身体から解放されました。
それでも、人間だった頃の恋や寂しさから解放されたわけではありません。
身体が変わっても、感情は自動的に初期化されない。その事実を、カブラの生き方が示しています。
カブラは「人間と吸血鬼の間」を象徴する
カブラは元人間であり、人間だった頃の弱さを知っています。
現在は吸血鬼として強い力を持ちながら、人間社会の病院で働き続けています。
彼女は人間か吸血鬼かという二択で割り切れない存在です。
吸血鬼として生きながら、人間時代の場所、仕事、記憶、恋を抱えています。
その姿は、『よふかしのうた』が描く吸血鬼が、単なる怪物ではないことを教えてくれます。
吸血鬼とは、人間性を捨てた存在ではありません。
むしろ永遠に近い時間を生きるぶん、人間だった頃の思いを長く抱える存在なのです。
ナズナの正体を知る唯一に近い証人
カブラは、ナズナが誕生した事情と、母・ハルの人物像を知る数少ない存在です。
ナズナ本人に人間時代の記憶がない以上、彼女のルーツを説明できる人物は限られています。
カブラが過去を語らなければ、ナズナは自分を「人間時代を忘れた吸血鬼」だと思い続けていたかもしれません。
その意味でカブラは、ナズナの記憶を保管する人物です。
血縁上の母親ではありませんが、ナズナが知らない幼少期やハルの思いを引き継いでいます。
カブラは育ての親であると同時に、ナズナという人物の空白を埋める記憶の継承者なのです。
コウに「好きになること」の重さを伝える
コウは吸血鬼になるため、ナズナに恋をしようとしています。
序盤では、その目標にどこかゲームの条件達成のような軽さがありました。
しかし、カブラとハルの関係を知ることで、吸血鬼への恋が人生をどれほど大きく変えるのかが見えてきます。
カブラは恋によって自由な身体を得ました。
同時に、永遠に近い時間のなかで消えない未練も背負いました。
恋は吸血鬼になるためのスイッチではありません。
相手の過去や傷、別れまで引き受ける可能性のある選択です。
カブラの物語は、ナズナを好きになるというコウの目標へ、現実的な重みを加えています。
カブラと鶯餡子が示す「過去」の違い
鶯餡子は、吸血鬼の人間時代の弱点を利用して彼らを追い詰めます。
一方のカブラは、人間時代の品や記憶を危険だと知りながら、完全には捨てられません。
餡子にとって過去は、吸血鬼を倒すための武器です。
カブラにとって過去は、自分を傷つける弱点でありながら、自分がハルを愛した証明でもあります。
この対比は非常に興味深いポイントです。
弱点を捨てれば安全にはなれますが、大切な思い出まで失われます。
『よふかしのうた』は、過去を処分すればすべて解決するとは描いていません。
傷つく可能性があっても記憶を残すことが、その人らしさにつながる場合もあると示しています。
今後カブラは登場する?
原作漫画『よふかしのうた』の本編は、2024年1月24日発売の『週刊少年サンデー』9号で最終回を迎えました。
最終第20巻は2024年3月18日に発売されています。
さらに、2025年に掲載された特別編『よふかしのうた-楽園編-』も完結済みです。
そのため、「原作でカブラが今後どのような役割を担うか」という予想より、今後はアニメで原作のどこまで映像化されるかが注目点になります。
アニメSeason2は2025年7月4日から放送され、カブラの過去とナズナの出生までが映像化されました。
2026年8月2日時点では、公式サイト上でSeason3の制作決定は発表されていません。
ただし、カブラは後の物語でも吸血鬼仲間の一人として関わるため、続編が制作されれば再登場する可能性はあります。
正式な続編情報については、アニメ公式サイトや公式SNSの発表を確認してください。
まとめ
本田カブラは、病弱な人間として入院していた頃に看護師・七草ハルと出会い、彼女へ恋をしたことで吸血鬼になった女性です。
ハルから幼いナズナを託され、数年間育てたため、ナズナにとっては母親代わりに近い存在でもあります。
しかし、その関係は単純な親子愛ではありません。
カブラはナズナを大切に思う一方、ナズナの顔に自分を置いて去ったハルを重ねています。
第63夜「カブラちゃんへ」やアニメSeason2第4夜・第5夜では、カブラの人間時代とハルへの思い、ナズナの出生の秘密が明らかになりました。
「久…」と言いかける場面も、ハルへの未練が一瞬こぼれたと考えると、カブラの複雑な心情がより深く伝わります。
本田カブラは、ナズナの過去を説明するだけの脇役ではありません。
恋によって人生を変えた者として、そして過去を忘れられない吸血鬼として、『よふかしのうた』における愛情と記憶の重さを体現する重要人物です。
よくある質問
本田カブラの読み方は?
「ほんだ かぶら」です。
「本田カグラ」「よふかしのうた かぐら」と検索されることもありますが、正しい名前は本田カブラです。
本田カブラはナズナの母親ですか?
実母ではありません。
ナズナの実母は七草ハルです。ただし、カブラはハルからナズナを託され、数年間世話をしているため、育ての親に近い存在です。
カブラを吸血鬼にしたのは誰ですか?
七草ハルです。
病弱だったカブラは担当看護師のハルに恋をし、ハルに血を吸われたことで吸血鬼の眷属になりました。
カブラと七草ハルは恋人同士ですか?
カブラがハルへ恋愛感情を持っていたことは読み取れますが、二人が正式に交際していたとは明言されていません。
ハル側の感情にも不明な部分が残っているため、恋人関係だったと断定するのは難しいでしょう。
七草ナズナの正体は何ですか?
七草ナズナは、七草ハルから生まれた生まれながらの吸血鬼です。
人間から吸血鬼になったわけではないため、人間時代の記憶がありません。
カブラの「久…」にはどのような意味がありますか?
公式の明確な説明はありません。
成長したナズナがハルと瓜二つだったため、カブラがハルへ「久しぶり」と呼びかけそうになったという解釈が有力です。
本田カブラの声優は誰ですか?
アニメ版の声優は伊藤静さんです。
落ち着いた中低音と、感情を抑えた繊細な演技によって、カブラの母性や未練、寂しさが表現されています。


