漫画『令和のダラさん』は、祟り神と怖いもの知らずの姉弟が出会う、ホラーと日常ギャグを両立したオカルトコメディです。
ともつか治臣さんが描く本作は2022年から連載され、2026年6月には単行本8巻が発売。怖そうなビジュアルに身構えたら、怪異のほうがツッコミ役だった――そんな強烈なギャップが魅力です。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
漫画『令和のダラさん』とは?作品情報と何巻までかを整理
『令和のダラさん』は、ともつか治臣さんによるオカルトコメディ漫画です。
Webコミック配信サイト「ComicWalker」、現在の「カドコミ」で2022年3月30日配信分から連載され、単行本はKADOKAWAから刊行されています。第1巻は2022年11月22日に発売されました。ビックカメラ+1
初めて読む人向けに、まず押さえたい情報だけまとめます。
- 作者:ともつか治臣
- 出版社:KADOKAWA
- 掲載:カドコミ(旧ComicWalker)
- レーベル:MFC
- 連載開始:2022年3月30日
- 第1巻発売日:2022年11月22日
- 単行本:既刊8巻
- 最新8巻発売日:2026年6月23日
- TVアニメ:2026年7月2日から放送開始
2026年6月23日に発売された第8巻は、B6判・200ページ・定価924円で、ISBNは9784046602497です。価格や刊行状況は今後変わる可能性があるため、購入時にはKADOKAWAなどの最新情報も確認してください。KADOKAWAオフィシャルサイト
本作はアニメ化で初めて注目された作品というわけではありません。
「次にくるマンガ大賞」の公式結果では、Webマンガ部門で2022年14位、2023年14位にランクイン。さらに三洋堂書店のコミックアワード「でらコミ!5」では準大賞に選ばれています。次にくるマンガ大賞+2次にくるマンガ大賞+2
ここは以前の情報で「2022年13位」と紹介されることもありますが、公式の歴代結果ページで確認できる順位は14位です。
つまり『令和のダラさん』は、2026年のアニメ放送で突然現れた作品ではなく、Web連載の段階から読者を増やし、単行本とマンガ賞で着実に存在感を高めてきた作品と見るのが分かりやすいでしょう。
タイトルも怪異の姿もかなり怖そうなのに、ジャンルの中心には笑いがある。
初見殺しならぬ「初見ビビらせ」である。
ただし、その怖そうな第一印象があるからこそ、読んだあとのギャップが強烈に効いてきます。
『令和のダラさん』のあらすじは?禁足地で祟り神と姉弟が出会う
『令和のダラさん』は、山奥の集落に残された立ち入り禁止の忌み地から物語が始まります。
その場所には古い祠があり、踏み込めば祟られ、ときには命に関わるとも伝えられていました。その山を代々管理しているのが三十木谷家です。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
ある嵐の夜、三十木谷家の姉弟である三十木谷日向と三十木谷薫が禁忌の場所へ足を踏み入れます。
そこで二人が遭遇するのが、巨大な蛇のような下半身と6本の腕を持つ祟り神、屋跨斑(ヤマタギマダラ)です。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト+1
ここまでなら完全にホラー漫画。
夜の山、禁足地、祠、祟り神。
もう役満です。普通なら「入っちゃダメって言われた場所には入るな選手権」で即優勝できます。
ところが日向と薫は、目の前の異形をほとんど恐れません。
屋跨斑を親しげに「ダラさん」と呼び、そのまま距離を縮めていきます。怖がらせるはずだった怪異は、自由すぎる姉弟に振り回され、いつの間にかツッコミ役へ回ってしまうのです。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト+1
この「立場の逆転」が、第1話の時点で作品の方向性をはっきり示しています。
一般的な怪談では、禁足地へ入った人間が怪異のルールに支配されます。しかし『令和のダラさん』では、遭遇した直後から怪異のほうが人間のペースを乱される。
だから怖い題材なのに、読者は「次は何に祟られるんだろう」ではなく、「次はダラさんが何に振り回されるんだろう」と楽しめるわけです。
ただし、本作を完全なほのぼの妖怪漫画だと思うのも少し違います。
ダラさんには過去があり、山の忌み地や祟りが生まれた経緯も物語の重要な軸として掘り下げられていきます。公式の作品紹介でも、ダラさんが過去を抱えた存在であることが示されています。KADOKAWAオフィシャルサイト
初めて読む人なら、過去編の詳細は知らないまま読み進めるのがおすすめです。
ダラさんの正体に関わる人物関係や、祟りが現在の形になった理由まで先に知ってしまうと、物語の印象が変化していく面白さを削ってしまいます。
「なぜ、この姿なのか」「なぜ、この土地にいるのか」という疑問だけ持っておけば十分。
その答えが笑いの裏側から少しずつ見えてくるところも、『令和のダラさん』の読みどころです。
ダラさん・日向・薫とは?主要キャラクター3人をネタバレなしで紹介
初めて『令和のダラさん』を読むなら、まずダラさん・日向・薫の3人を知っておけば十分です。
物語が進むと周辺人物や過去に関わる存在も増えていきますが、作品の基本的な温度を作っているのは、この妙に距離感の近い怪異と姉弟です。
ダラさん/屋跨斑
ダラさんの正式な名は屋跨斑(ヤマタギマダラ)。
半人半蛇の身体と6本の腕を持つ祟り神で、ビジュアルだけを見れば「友達になろう」と最初に考えるタイプではありません。むしろ全力で後ずさりしたい。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト
しかし公式プロフィールでは、外見とは対照的に温厚で理性的な性格を持ち、現代文明にも適応している存在として紹介されています。
土地神としての威厳を意識している一方、寂しがり屋な一面もあります。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト
この「恐ろしい外見」と「妙に人間くさい反応」の落差が、ダラさん最大の魅力でしょう。
日向と薫を震え上がらせるどころか、二人の行動に驚いたり、呆れたり、面倒を見たりする。
怪異の造形を崩さず、役割だけをコメディ側へ反転させているのが面白いところです。
三十木谷日向
三十木谷日向は、屋跨斑を祀る山の山守を務めてきた三十木谷家の長女で、中学2年生です。
スポーティな雰囲気ですが、実際にはできることならぐうたらしていたいタイプ。そして非常に強い霊感を持っています。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト
何より重要なのは、怪異に対する反応が普通ではないこと。
目の前にダラさんが現れても「恐怖の対象」として距離を取らず、そのまま会話できてしまいます。
ホラー作品では主人公の恐怖が読者の恐怖を増幅させることがありますが、日向はその逆です。
読者が「いや怖いって!」と思っている横で本人は平然としているため、緊張が一気にコメディへ変わる。
いわば日向は、作品の恐怖解除ボタンみたいな存在です。
三十木谷薫
薫は日向の弟で、地元の小学校に通う小学5年生。
金髪碧眼の整った容姿で、一見おとなしそうですが、実際には活発な性格です。画力が高いことも公式プロフィールで明かされています。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト
薫も日向と同じく、ダラさんを必要以上に恐れません。
姉弟がそろってこの調子なので、ダラさんは「祟り神として怖がられる」という普通なら当然のポジションを維持できないんですね。
この3人の面白さは、単純な「ボケ2人+ツッコミ1人」ではありません。
ダラさんにも怪異としての危うさや歴史があり、日向と薫にも山守の家に生まれた背景がある。
コメディとして笑える関係そのものが、物語を進めるほど別の意味を帯びてくる。
初めて読むなら、そこに注目してみてください。
『令和のダラさん』は怖い?ホラーなのに読みやすい理由
結論から言うと、『令和のダラさん』にはしっかりホラー要素がありますが、恐怖一辺倒の漫画ではありません。
怪異の造形、山の禁忌、古い祠、祟り、過去から続く因縁などは本格的。一方、現代パートではキャラクター同士の掛け合いが強く、怖さが長時間続く構成ではありません。公式側でもオカルトとコメディを組み合わせた作品として紹介されています。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
ここで注目したいのが、第1話の「恐怖を反転させる順番」です。
大まかに整理すると、導入は次のように進みます。
1. 立ち入ってはいけない禁足地を提示する
2. 巨大で異形の祟り神を登場させる
3. 読者側に「危険な怪異だ」と認識させる
4. 日向と薫が予想ほど怖がらない
5. ダラさんが姉弟に振り回され、ツッコミ役へ回る
つまり最初からギャグとして怪異を登場させているわけではありません。
一度きちんと「怖いもの」として成立させ、そのあと人間側の反応で空気をひっくり返しているのです。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト+1
ここがかなり重要だと筆者は考えます。
最初からダラさんが可愛らしいマスコットの姿だったら、この笑いは成立しません。
「これは怖いぞ」と読者に思わせるだけの異形を見せた直後に、登場人物だけが平然としているから、「いや、そっちが平気なんかい」というズレが笑いになるわけです。
漫画という媒体との相性もいい部分です。
不穏な背景や大きな怪異を見せて緊張させたあと、会話と表情で一気に温度を下げる。視覚的な迫力と台詞の軽さを同時に使えるため、同じダラさんの姿が「怖い」と「親しみやすい」の両方に機能します。
そして物語を読み進めると、この仕掛けは単なるギャグ以上の意味を持ち始めます。
最初は異形の姿を見て「怖い」と感じていた読者自身が、いつの間にか自然に「ダラさん」と呼ぶ感覚へ変わっていくからです。
姿はほぼ同じ。
変わったのは、こちらの認識です。
この「怪異を見る目そのものが変化する」という読書体験は、『令和のダラさん』ならではの面白さでしょう。
一方、過去に関わるエピソードでは雰囲気が重くなるため、「最初から最後までほのぼの」という作品ではありません。
怖い描写や因習的な雰囲気がどうしても苦手な人には注意が必要ですが、ホラーの世界観は好きでも、ずっと恐怖が続く作品はしんどいという人には比較的入りやすい漫画だと思います。
『令和のダラさん』は何巻まで?初めて読むなら1巻からがおすすめ
『令和のダラさん』は、2026年8月14日時点で単行本8巻まで発売されています。
最新第8巻は2026年6月23日発売。第1巻が2022年11月22日発売なので、Web連載から単行本化され、継続的に刊行されてきたシリーズです。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
これから読むなら、基本的には第1巻から順番に読むのがおすすめです。
理由は、現在の日常と過去から続く怪異の背景が、徐々につながっていく作品だから。
ダラさんと日向・薫の関係についても、完成した状態だけを見るより「どうしてこの距離感になったのか」を追ったほうが圧倒的に面白いです。
第1巻では、禁足地への侵入、屋跨斑との遭遇、そして姉弟がまったく動じないという本作の基本構造がしっかり提示されます。KADOKAWAの第1巻紹介でも、この初遭遇が作品の入口として紹介されています。KADOKAWAオフィシャルサイト
ここを読んで、
「怪異のデザイン、思ったより怖いな」
「いや姉弟はなんで平気なの?」
「ダラさん、もうツッコミ役になってる……」
となれれば、かなり相性がいいはずです。
なお、後半の巻では山の歴史や怪異に関する情報も深まっていきます。
第8巻の公式紹介でも「忌み地の歴史」に踏み込む内容が案内されているため、最新巻へ近づくほど物語の縦軸が濃くなっていることが分かります。KADOKAWAオフィシャルサイト
初見の人には、その詳細を先に検索しすぎないことをおすすめします。
検索したら全部出てくる時代ですが、検索能力が高すぎるのも考えもの。怪異よりGoogleのほうがネタバレしてくる。
アニメから知った人も漫画1巻から読んで大丈夫
TVアニメ『令和のダラさん』は2026年7月2日から放送されています。
監督は鈴木理人さん、シリーズ構成は木村暢さん・山田靖智さん、キャラクターデザインは菊田幸一さん、アニメーション制作は旭プロダクションです。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト+1
主要キャストは、ダラさん役が田村睦心さん、三十木谷日向役が津田美波さん、三十木谷薫役が寺澤百花さん。2026年8月時点で放送が進行しています。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト+1
アニメから入った人も、漫画は1巻から読んで問題ありません。
漫画版では、ともつか治臣さんによる怪異の造形、不穏な画面と会話の落差、自分の速度でページを進められる怖さなどを味わえます。
逆にアニメでは、田村睦心さんらの芝居によって「こんな見た目なのに会話すると妙に親しみやすい」というダラさんのギャップが音として立ち上がる。
どちらが上というより、同じ恐怖と笑いの切り替えを、漫画は画面構成、アニメは声と間でも楽しめるという関係だと考えると分かりやすいでしょう。
『令和のダラさん』の魅力を考察|怪異を弱くせず笑いに変えるのがうまい
筆者が『令和のダラさん』で特に面白いと感じるのは、ダラさんを「怖くない存在」に作り替えていないことです。
ここは似ているようで大きな違いがあります。
見た目をデフォルメして怖さを消し、「実は優しい妖怪でした」とすれば、人外日常コメディとしては成立します。
しかし『令和のダラさん』の場合、ダラさんの異形そのものは異形のままです。
禁足地も祠も祟りも残る。
それでも笑える。
なぜなら、笑いの発生源を怪異の弱体化ではなく、怪異と人間の認識のズレに置いているからです。
ダラさん側には祟り神としての常識がある。
日向と薫側には、それを必要以上に怖がらない現代の感覚がある。
双方が会話すると、「普通なら成立するはずの恐怖」が成立しない。
ダラさん本人からすれば結構な非常事態です。
「ワシ、怖がらせる側だったはずなんじゃが」という状況が毎回の笑いにつながる一方、怪異としての設定まで冗談にはしていません。
だから後から過去や伝承へ踏み込んでも、物語が薄くならないのだと考えられます。
もうひとつ重要なのが、現在の日常が過去の重さを打ち消すのではなく、受け止める場所になっていることです。
過去が重いから、現代でダラさんが姉弟とくだらないやり取りをしている時間に意味が出る。
一方、普段のダラさんに親しみを持っているから、過去に関する情報が出たとき、それを「設定説明」ではなく「知っている人物の歴史」として読める。
この双方向の作用が、本作を単なる一発ネタで終わらせていません。
「怖い怪異なのにツッコミ役」という設定だけなら、数話で慣れてしまう可能性があります。
しかし『令和のダラさん』は、その先に「この怪異は何者なのか」「なぜここにいるのか」という縦軸を持たせている。
コメディでキャラクターを好きにさせ、怪異譚でそのキャラクターの見え方を更新する。
この構造が強いんです。
さらにタイトルの「令和」も、単に現代が舞台という意味だけではないように感じます。
何世代にもわたって残されてきた禁忌や祟りが、スマートフォンも現代的な生活感覚も当たり前の時代に残っている。
古いものが消滅したのではなく、現代の人間と同じ場所で生活しているわけです。
そこで生まれるのが「昔なら恐れられた存在が、令和の子どもに普通に話しかけられる」という価値観の衝突です。
怪異VS人類というほど大げさではなく、どちらかというと怪異VS距離感バグった姉弟。
でも、この小さな衝突の積み重ねこそが「令和の怪異譚」らしさを生んでいるのではないでしょうか。
初めて読む人に向けて一言でまとめるなら、『令和のダラさん』は「ホラーを笑いで薄めた漫画」ではなく、「ホラーをちゃんと怖く描くからこそ、その直後の笑いが強くなる漫画」です。
ここを知って読むと、ただのギャップ系作品ではないことが見えやすくなると思います。
まとめ|『令和のダラさん』は怖さと笑いを両方楽しめる漫画
漫画『令和のダラさん』は、ともつか治臣さんによるオカルトコメディで、2022年からWebで連載され、2026年8月14日時点では単行本8巻まで発売されています。第8巻の発売日は2026年6月23日です。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
物語は、山奥の禁足地へ入った三十木谷日向と薫が、半人半蛇・6本腕の祟り神である屋跨斑と出会うところから始まります。
ところが姉弟はほとんど怖がらず、屋跨斑を「ダラさん」と呼んで距離を縮める。
その結果、人間が怪異に翻弄されるはずのホラー構造が、怪異が人間に振り回されるコメディへ反転するのが本作最大の特徴です。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト
一方で、山に残る禁忌やダラさんの過去にはシリアスな物語があり、読み進めるほど怪異譚としての深みも増していきます。
初めて読むなら、過去の核心部分は検索せず、第1巻から順番に追うのがおすすめです。
怖い。
でも笑える。
笑えるのに、背景を知ると少し切ない。
その感情の振れ幅こそ、『令和のダラさん』が長く読まれている理由のひとつだと筆者は考えます。
よくある質問
『令和のダラさん』はどんな漫画ですか?
ともつか治臣さんによるオカルトコメディです。
山奥の禁足地にいる祟り神・屋跨斑ことダラさんと、彼女をほとんど恐れない三十木谷日向・薫の姉弟による日常を中心に、怪異や土地の伝承も描かれます。TVアニメ『令和のダラさん』公式サイト+1
『令和のダラさん』は何巻まで発売されていますか?
2026年8月14日時点で第8巻まで発売されています。
第8巻は2026年6月23日発売で、B6判200ページ、定価924円です。今後刊行状況や価格が変わる可能性があるため、購入時は公式の最新情報を確認してください。KADOKAWAオフィシャルサイト
『令和のダラさん』は怖い漫画ですか?
怪異の造形、禁足地、祟り、過去の伝承などホラー要素はありますが、作品の中心にはダラさんと日向・薫のコミカルな掛け合いがあります。
恐怖だけが続く作品ではないため、「怪談や妖怪ものの雰囲気は好きだけれど、怖すぎる漫画は苦手」という人にも比較的入りやすい作品です。
執筆:水無月 巡(アニメ愛好フリーライター)


