『対ありでした。』の原作は江島絵理さんの漫画で、2026年9月時点ではコミックス第11巻まで発売されています。
アニメは第10話までで原作5巻の大会編に到達。一方、全8話の実写ドラマは大会決着後まで描いており、ゲーム名だけでなく映像化範囲・話の組み替え方・大会設定・キャラクター配置にも違いがあります。
情報更新日:2026年9月11日
「アニメを見たけれど原作は何巻まで進んでいる?」「ドラマは原作のどこまで?」「原作でもストリートファイターを遊んでいるの?」。
そんな疑問をまとめて解消できるよう、今回は原作漫画を軸に、2023年の実写ドラマと2026年のテレビアニメを実際のエピソードまで照らし合わせて比較します。
『対ありでした。』の原作は何?2026年9月時点で11巻まで発売
『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』の原作は、江島絵理さんによる漫画作品です。
『月刊コミックフラッパー』2020年2月号から連載が始まり、Webのカドコミでは第1話「π4」が2020年4月19日に公開されています。
2026年9月11日時点のコミックス最新刊は、2026年7月22日に発売された第11巻。カドコミでは2026年8月19日に第65話「力の差」が公開されており、次回更新予定日は9月19日と案内されています。カドコミ (コミックウォーカー)+1
つまりメディア展開の順番は、
- 2020年:原作漫画スタート
- 2023年5月19日:実写ドラマ配信開始
- 2026年7月7日:テレビアニメ放送開始
となります。
物語の舞台は、ゲームが禁止されている名門お嬢さま学校・黒美女子学院。
一般家庭出身で「本物のお嬢さま」に憧れる深月綾は、学院で「白百合さま」と呼ばれる夜絵美緒に強い憧れを抱きます。
ところが綾が誰もいない教室で目撃したのは、優雅なイメージとは正反対の美緒でした。
美緒は学校で禁止されている対戦格闘ゲームに熱中しており、さらに綾自身も格ゲー経験者だと見抜かれます。そこから2人の本気の対戦と、秘密の格ゲー生活が始まるわけです。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト+1
ここでアニメ視聴者が最初に知っておきたいのが、原作漫画でプレイされているゲームは『ストリートファイター6』ではないこと。
原作初期に登場するのは「Iron Senpai4」、通称「π4」という架空の格闘ゲームです。
実際、原作第1話のタイトルも「π4」。カドコミの公開話一覧を見ると、第2話「格ゲーはもうやめる」、第3話「だから否定する」、第4話「対ありでした」と続いています。カドコミ (コミックウォーカー)
この話数タイトルが、アニメとの比較ではかなり重要になります。
なぜならアニメ版は、原作を「漫画1話=アニメ1話」でそのまま映像化しているわけではないからです。
『対ありでした。』アニメは原作何巻まで?第10話で5巻の内容に到達
2026年9月11日時点のテレビアニメ『対ありでした。』は第10話「そう思ったんだ」まで放送済みで、原作コミックス第5巻の内容まで到達しています。
正確には「第5巻を完全に消化済み」と一括りにするより、第5巻に収録される綾VS gekido、美緒VS禍腐餌悪霊の大会パートが第8~10話で映像化されていると捉えるのが安全です。
KADOKAWAによる原作第5巻の紹介では、EXjpの予選プールで綾がgekido、美緒が禍腐餌悪霊と戦い、それぞれの対決が決着する巻だと案内されています。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
アニメ第8話でも綾VS gekido、美緒VS禍腐餌悪霊がスタートし、第9話で両カードが進行。9月8日放送の第10話では、綾の試合後、美緒が禍腐餌悪霊との対戦を続け、昇龍拳を決める展開まで描かれました。アニメイトタイムズ+2プライム・ビデオ+2
この一致から、アニメ第10話=少なくとも原作5巻まで進行と判断できます。
そしてアニメは全12話構成です。
公式Blu-ray第3巻の収録内容が「第9話~第12話」と発表されているため、第10話放送終了時点では残り2話という状況です。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
原作6巻では、美緒と亜里沙の対決が大きな軸になります。原作7巻はEXjp終了後の日常へ戻り、大会映像をきっかけにゲームをしていた事実が問題になる展開です。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
そのため、残る第11・12話が6巻のどこまで進むのかは注目ポイント。
ただし9月11日時点では最終話まで放送されていないため、「アニメ1期は原作○巻まで」と最終到達点を断定するのはまだ早いです。
原作とアニメではエピソードのまとめ方も違う
ここは今回、特に詳しく比較しておきたい部分です。
原作とアニメのタイトルを並べると、アニメが単純に漫画を1話ずつ映像化していないことが見えてきます。
原作の序盤は、
- 第1話「π4」
- 第2話「格ゲーはもうやめる」
- 第3話「だから否定する」
- 第4話「対ありでした」
という順番です。カドコミ (コミックウォーカー)
ところがアニメは、
- 第1話「格ゲーはもうやめる」
- 第2話「対ありでした」
- 第3話「真夜中の対戦会」
- 第4話「真夜中の勉強会」
と進みます。dアニメストア | 初めての方は初月無料のアニメ見放題サイト
アニメ第1話は、綾が黒美女子学院へ入り、美緒の秘密の格ゲーを目撃するという原作冒頭から物語を始めています。
しかしタイトルには原作第1話「π4」ではなく、原作第2話の「格ゲーはもうやめる」を採用。
さらにアニメ第2話「対ありでした」は原作第4話と同じ題名です。
つまりアニメ版は原作の話数タイトルをそのまま順番に並べるのではなく、複数の原作エピソードをテレビアニメ1話分の流れへ再構成していると見るのが自然です。
漫画ではページをめくるタイミングで細かく区切れるエピソードを、約24分のアニメでは「出会い」「再戦」「仲間が増える」といったドラマ上のまとまりで再編集しているわけですね。
これは「カットが多い・少ない」という話だけではありません。
エピソードの区切りそのものが違うのが、原作とアニメを比べたときの大きな変更点です。
原作第11話「バランス調整」もアニメでは第6話へ再構成
さらに分かりやすい例が、原作第11話です。
原作には実際に第11話「バランス調整」というエピソードがあります。カドコミ (コミックウォーカー)
アニメでも第6話で、綾たちが遊ぶゲームへアップデートが入り、対戦バランスが変化する展開を採用しました。
ただしアニメ第6話のタイトルは「バランス調整」ではなく「崇高なる決闘」。
しかも実在する『ストリートファイター6』へ置き換えられたことで、綾が使うキャミィは弱体化、美緒のリュウは強化されたという具体的な環境変化として描かれます。ニコゾン
ここは格ゲー好きとしてかなり面白い翻案だと僕は感じました。
原作では架空ゲーム「π4」の世界で成立していた「アップデートによって昨日までの攻略が変わる」という格ゲー特有の事件を、アニメでは実在キャラクターの性能変化という視聴者が理解しやすい形へ翻訳しているからです。
漫画の展開を削ったというより、「同じ格ゲーあるあるを、2026年のアニメ視聴者へどう届けるか」を組み直した変更と考える方がしっくりきます。

原作のπ4はアニメで『ストリートファイター6』へ
もちろん最も分かりやすい変更はゲームそのものです。
原作の架空格闘ゲーム「Iron Senpai4(π4)」に対し、テレビアニメではカプコンの『ストリートファイター6』が使われています。
アニメ公式では使用キャラクターも公表されており、
- 深月綾:キャミィ
- 夜絵美緒:リュウ
- 犬井夕:ケン
- 一ノ瀬珠樹:ジュリ
という組み合わせです。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
アニメ制作はディオメディア、監督は井畑翔太さん、シリーズ構成は渡航さん、キャラクターデザインは松本麻友子さん。さらにFAV gamingが収録協力として参加しています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト+1
大会についても違いがあります。
原作ではEXjpという大会が重要な舞台になりますが、アニメではEVO Japanが登場します。
ここは「公式がEXjpとEVO Japanを完全に同一設定だと定義した」という意味ではありません。
物語上、学校の外へ出て大規模な格闘ゲーム大会へ挑み、プロや強豪プレイヤーとぶつかっていく対応パートとして、本記事では原作のEXjpとアニメのEVO Japanを比較しています。
こうして見ると、アニメの変更はゲーム名だけではありません。
π4→SF6、EXjp→EVO Japan、さらに対戦内容もSF6のキャラクター性能やシステムに合わせて再構築するという、かなり大きなローカライズならぬ「リアル格ゲー化」が行われています。
『対ありでした。』ドラマは原作何巻まで?全8話で7巻冒頭相当まで進む
2023年の実写ドラマ『対ありでした。』は全8話で、原作6巻の大会決着を越え、7巻冒頭に近い「大会映像が学校側に知られる」展開まで描いています。
ここはアニメとの大きな違いです。
ドラマは2023年5月19日からLeminoで配信。深月綾を茅島みずきさん、夜絵美緒を田鍋梨々花さん、犬井夕を池田朱那さん、一ノ瀬珠樹を永瀬莉子さんが演じました。
カプコン全面協力のもと、劇中ゲームには『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』を採用。VFXスーパーバイザーは鹿角剛さん、ゲーム監修にはアールさん、イッヌさんらが参加しています。全8話で制作されたこともNTTドコモの発表で確認できます。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1
では「原作のどこまで?」を実際のエピソードで照合してみましょう。
ドラマ第3話では、綾、美緒、夕、珠樹の4人が夜のゲーム会を続け、「EXjpというストVの大会」への出場を決めます。
第4話ではチーム白百合がEXjp本戦出場を目指し、第5話では綾の試験問題、第6話では一ノ瀬花が珠樹を連れ戻そうとする展開へ。
第7話ではgekido率いるチームとの対戦を経て決勝へ進み、最終第8話では亜里沙との決勝戦が描かれます。Filmarks+1
そして重要なのはその後です。
第8話後半では夏休み明け、4人が大会へ出場していた映像が学院側に知られ、ゲームをしていた事実が問題になります。Filmarks
原作7巻も、EXjp終了後、大会での美緒の映像をきっかけに寮則違反が発覚し、綾たちが退学危機へ直面するところから展開します。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
細部の展開や組織名、出来事の処理はドラマ独自に再構成されていますが、ストーリー上の到達地点を巻単位で整理するなら、ドラマ最終回は原作6巻の大会決着を経て、7巻序盤に対応する材料まで使用していると見るのが分かりやすいでしょう。
これはかなり大事な違いです。
2026年9月11日時点のアニメはまだ原作5巻のプロゲーマー戦付近。
対してドラマは全8話という短い尺で、EXjpの決勝とその後まで駆け抜けています。
つまり、ドラマの方が1話あたりに詰め込んでいる原作展開が多いんです。
ドラマは大会名EXjpを残し、ゲームだけ『ストV』へ変更
もう一つ、以前より明確にしておきたいポイントがあります。
ドラマはゲームを原作のπ4から『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』へ変えていますが、大会名はEXjpを使用しています。
ドラマ第3話のエピソード情報にも、4人が「EXjpというストVの大会」へ出場する流れが明記されています。Filmarks
ここはアニメと対照的です。
原作は「π4+EXjp」。
ドラマは「ストV+EXjp」。
アニメは「スト6+EVO Japan」。
一口に「実在ゲームへ変更」といっても、映像版2作品が同じ方法を取っているわけではありません。
ドラマは原作側の大会名を残しつつゲーム映像を実在タイトルへ差し替え、アニメはゲームだけでなく大会そのものも現実の格ゲー文化へ接続している。
この違いを押さえると、3媒体の方向性がかなり見えやすくなります。
ドラマは原作より大会をチーム戦中心に再構成
ドラマ版では大会パートの組み立ても独自色が強めです。
第4話では「チーム白百合」として先鋒・中堅戦を戦い、第7話でgekido率いるチーム「拳」を破って決勝へ進出。最終話では亜里沙との大将戦へつながります。Filmarks
一方、原作5巻では「予選プールで綾VS gekido、美緒VS禍腐餌悪霊」という個人カードが大きな軸。2026年アニメもこの原作側のカードを踏襲し、第8話以降で同じ対戦を描いています。KADOKAWAオフィシャルサイト+1
同じ大会編でも、
ドラマ=チーム白百合の勝ち上がりを軸に圧縮
原作・アニメ=それぞれのプレイヤーが強敵と戦う個別カードをじっくり描く
という見せ方の違いがあるわけです。
8話で一区切りをつける実写ドラマにとって、チーム全体の「勝ち上がる/敗退する」を軸にすると物語のゴールが視聴者へ伝わりやすい。
筆者としては、これは尺の短い実写シリーズに合わせた再構成として納得感があります。
亜里沙の名前などキャラクター設定にも差がある
人物配置まで見ると、さらに違いが見つかります。
2026年アニメ公式では、小学生ゲーマーは藤宮亜里沙として登場し、長縄まりあさんが声を担当しています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト+1
一方、2023年ドラマ第7話のエピソード情報では、決勝相手の少女は九条亜里沙と表記されています。Filmarks
つまり映像版同士を比べても、亜里沙は姓まで同一ではありません。
またドラマには藤宮森乃役の山田愛奈さん、一ノ瀬花役の田中芽衣さん、咲坂なつめ役の秋谷百音さん、上条真琴役の新井舞良さん、間宮夢子役の川床明日香さんらが出演しています。Filmarks
原作者の江島絵理さん自身もドラマ化に際し、途中段階の脚本を確認してゲーム部分には意見を出した一方、それ以外は制作側に任せた趣旨をコメントしており、完成版について漫画とは異なる味わいになったと説明しています。ファミ通.com
つまりドラマは「漫画を実写でそのまま再現する」ことを最優先にした作品というより、原作の設定と熱量を使って8話の青春ドラマへ再構築した版として見る方が実態に近いでしょう。

原作・ドラマ・アニメの違いを比較するとどうなる?
3媒体の違いを一度まとめると、使用ゲームだけでなく、映像化範囲と大会編の構成がかなり違うことが分かります。
比較項目 原作漫画 2023年実写ドラマ 2026年テレビアニメ
スタート 2020年 2023年5月19日 2026年7月7日
原作・著者 江島絵理 江島絵理の漫画を実写化 江島絵理の漫画をアニメ化
主人公 深月綾 深月綾/茅島みずき 深月綾/長谷川育美
夜絵美緒 夜絵美緒 田鍋梨々花 市ノ瀬加那
主な格ゲー Iron Senpai4(π4) STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION ストリートファイター6
大会 EXjp EXjp EVO Japan
映像化範囲 11巻まで刊行・連載継続 全8話で6巻の大会決着~7巻序盤相当まで 第10話時点で5巻の大会編まで到達
序盤の構成 第1話「π4」、第2話「格ゲーはもうやめる」など 8話用に大幅圧縮 複数の原作話を1話へ再構成
大会の見せ方 個々の対戦と心理を細かく描写 チーム戦の勝ち上がりを強く打ち出す 原作カードをSF6+EVO Japanへ翻案
亜里沙 原作側の主要小学生ゲーマー 第7話情報では九条亜里沙 藤宮亜里沙
表現の特徴 コマ割り、内面、架空ゲームの自由度 俳優、実ゲーム映像、VFX アニメーション、SF6の実在システム
現時点の完結状況 連載中 全8話完結 全12話予定、第10話まで放送済み
こうして整理すると、「原作と違う=改悪」という単純な話ではないことが分かります。
特に面白いのが映像化するスピードの差です。
ドラマはわずか8話で大会の決勝と、その後の学院側への発覚まで進みます。
アニメは全12話のうち10話を使った段階で、まだ原作5巻の綾VS gekido、美緒VS禍腐餌悪霊付近。
つまりアニメの方が、現時点では大会の1試合やキャラクターの感情をより細かく拾う構成になっています。
同じ原作を映像化しているのに、ドラマはストーリーの縦方向へ速く進み、アニメは一つひとつの対戦を横方向へ広げているように見えるんですね。
これは原作ファンが見比べるとかなり楽しいポイントです。
アニメ第10話の「昇龍拳」は実在ゲーム化の強みが出た場面
もう一歩、格ゲー作品として踏み込んでみます。
第10話では、美緒が禍腐餌悪霊との試合で昇龍拳を決める場面が描かれます。プライム・ビデオ
ここで美緒が使っているのはリュウです。
つまりアニメ視聴者は「美緒が攻撃を当てた」という抽象的な情報だけでなく、リュウというキャラクターや昇龍拳を知っていれば、技を出した瞬間のリスクや勢いまで自分のゲーム経験と重ねられます。
原作のπ4には、架空ゲームだからこそ江島絵理さんが展開を自由に設計できる強みがあります。
対してアニメには、視聴者が知っているゲームシステムそのものを演技にできる強みがある。
キャラクターの使用キャラまで公式に決めている意味は、ここにあると僕は考えています。
単なるタイアップなら、画面に『ストリートファイター6』が映るだけでも成立します。
『対ありでした。』の場合はそうではなく、キャミィを使う綾、リュウを使う美緒という選択そのものが、試合運びやアニメの脚本へ入り込んでいる。
だから原作を知っていても、アニメでは「このπ4の展開をSF6ではどう置き換える?」という別の楽しみ方ができます。
3媒体の違いから見える『対ありでした。』の魅力とは?考察と今後
ここからは、原作・ドラマ・アニメを比較したうえでの僕の考察です。
僕が一番重要だと思うのは、『対ありでした。』はストーリーを一字一句守るより、「対戦すると相手の素顔が出る」という作品の芯を守ってメディアごとに作り替えていることです。
綾が最初に憧れた美緒は、学院では完璧な「白百合さま」。
ところが格ゲーを始めると、そのイメージだけでは説明できない熱量がむき出しになります。
綾自身も同じです。
お嬢さまらしく振る舞おうとしているのに、画面の前へ座れば格ゲーマーとしての経験や負けず嫌いな部分が出てくる。
格闘ゲームがただの題材ではなく、キャラクターが取り繕えなくなる装置として働いているんですよね。
だから媒体によってπ4がストVやスト6へ変わっても、物語の根っこは崩れにくい。
ただし、その根っこへ到達する方法はかなり違います。
原作漫画なら、プレイヤーの思考を文章とコマ割りで細かく止められます。
「今なぜその技を選んだのか」を数秒の出来事に何ページも使える。格ゲーの読み合いを漫画として誇張し、キャラクターの顔や台詞を一番強い瞬間で固定できるのは原作ならではです。
ドラマは逆です。
実際の俳優がアーケードコントローラーを操作し、目線や呼吸、姿勢で勝負の緊張を見せなければなりません。
そこへ『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』のゲーム映像とVFXを組み合わせ、全8話の青春ドラマとして大会決着まで走り切る。
だから原作より展開は速いものの、「人間が本気でゲームをしている身体性」はドラマならではの武器です。
アニメはその中間にいるようで、実は別方向へ進んでいます。
キャラクターの大きな表情や漫画的なテンポを維持しながら、ゲーム部分には実在する『ストリートファイター6』を入れられる。
さらにFAV gamingの収録協力や、eSports実況者のアールさんをフランベルジュ役に起用するなど、格ゲー文化そのものを制作へ接続しています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト+1
しかもアールさんは、2023年の実写ドラマでは本人役で登場し、試合や脚本の監修にも携わっていました。
アニメでは今度はフランベルジュというキャラクターを演じる側へ回っています。本人の公式コメントでも、ドラマでは本人役と監修、アニメでは声優に初挑戦したことが語られています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
これ、3媒体比較という意味ではかなり象徴的ではないでしょうか。
同じ格ゲー実況者が、実写では「現実の格ゲー文化そのもの」として画面へ入り、アニメでは「作品世界の実況者」を演じる。
原作と現実の距離を、媒体に合わせて変えているわけです。
アニメは原作のどこまで進む?
2026年9月11日時点では、第10話まで放送済み。
Blu-ray情報から全12話であることは確認できますが、残り2話の内容はまだ放送前です。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
原作5巻のプロゲーマー戦まで進んだ現在のペースを考えると、次に焦点となるのは6巻で大きく描かれる美緒と亜里沙の対戦でしょう。
ただし、「最終話=原作6巻ラスト」と現段階で確定させることはできません。
ドラマのように大会後まで一気に進む可能性も、6巻の対戦を厚く描いて一区切りとする可能性もあります。
ここは放送が終わってから、「1期は原作何巻までだったか」を改めて確定させるのが正確です。
個人的には、アニメ版がここまで試合の細かな心理を拾っている以上、無理に7巻へ急ぐより、6巻の重要カードへ尺を使う方が作品の持ち味には合っていると感じます。
原作7巻以降には、EXjp後にゲーム禁止という学院のルールそのものが再び大きな壁になる展開があります。KADOKAWAオフィシャルサイト
もし将来そこまでアニメ化されるなら、「大会で強くなる話」から「好きなものを続けるために学校とどう向き合うか」という別のフェーズへ移る。
1期がどこで区切るかは、その先のシリーズ構成を考えるうえでもかなり重要です。
結局、どの媒体から見るのがおすすめ?
アニメから『対ありでした。』を知った人には、原作第1巻から読むのがおすすめです。
すでに見た物語を最初から読むことになりますが、π4という架空ゲームに変わるだけでなく、原作では第1話「π4」から始まり、アニメでまとめられたエピソードをより細かな単位で追えます。
特に「アニメ第1話と原作第1話は完全に同じ?」と気になった人ほど、序盤から読み比べる価値があります。
ドラマから入った人も同様です。
ドラマは全8話で原作7巻序盤に近い地点まで進むため、「続きだけ」を求めれば7巻付近が気になります。
ただ、ドラマ版は大会形式や人物設定、エピソード順をかなり再構成しています。
そのため物語を取りこぼさず理解したいなら1巻から、ドラマ終了後に近い展開を確認したいなら6~7巻を中心に読むという選び方が分かりやすいでしょう。
まとめると、『対ありでした。』の原作は江島絵理さんによる漫画で、2026年9月11日時点では第11巻まで発売され、第65話「力の差」まで公開されています。
原作はIron Senpai4(π4)とEXjp、ドラマは『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』とEXjp、アニメは『ストリートファイター6』とEVO Japanを採用。
さらに映像化範囲にも差があり、ドラマは全8話で原作6巻の大会決着から7巻序盤相当まで、アニメは第10話時点で原作5巻のプロゲーマー戦まで進んでいます。
ゲーム名だけ変えた3作品ではありません。
話数のまとめ方、大会の仕組み、キャラクター配置、対戦の見せ方まで、それぞれの媒体に合わせて作り直されています。
原作を読んでから映像版を見ると、「何を変えたか」だけではなく、なぜその媒体ではそう変える必要があったのかまで見えてくる。
そこまで比べ始めると、『対ありでした。』は一度の対戦では終わらない作品ですよ。
よくある質問
『対ありでした。』の原作漫画は何巻まで発売されている?
2026年9月11日時点では、コミックス第11巻まで発売されています。
第11巻は2026年7月22日発売。カドコミでは8月19日に第65話「力の差」が公開され、次回更新予定日は9月19日です。カドコミ (コミックウォーカー)+1
『対ありでした。』アニメは原作何巻まで?
2026年9月8日放送の第10話時点で、原作第5巻の内容まで到達しています。
第5巻にある綾VS gekido、美緒VS禍腐餌悪霊の対戦がアニメ第8~10話で描かれているためです。アニメは全12話ですが、9月11日時点では最終話未放送のため、1期全体の最終到達巻はまだ確定できません。KADOKAWAオフィシャルサイト+2プライム・ビデオ+2
原作・ドラマ・アニメでは同じ格闘ゲームを遊んでいる?
いいえ。ここは3媒体の代表的な違いです。
原作は架空のIron Senpai4(π4)、2023年ドラマは『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』、2026年アニメは『ストリートファイター6』を使用しています。
大会も原作とドラマではEXjp、アニメではEVO Japanが舞台となっており、アニメでは深月綾がキャミィ、夜絵美緒がリュウ、犬井夕がケン、一ノ瀬珠樹がジュリを使用します。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1
執筆:涼風 結人(アニメ情報ナビゲーター)

