『ふつつかな悪女ではございますが』の妃の序列は、皇后を頂点に、貴妃・淑妃・徳妃・賢妃の「四夫人」が続く構造です。
朱雅媚は皇后・黄絹秀に次ぐ「貴妃」で、朱慧月の後見人でもある重要人物。雛女たちの争いを理解するには、現世代の妃と次世代の妃候補という「二つの序列」を分けて見るのがポイントです。
『ふつつかな悪女ではございますが』妃の序列はどうなっている?
結論から整理すると、詠国の後宮では皇后が最上位に立ち、その下に「四夫人」と呼ばれる貴妃・淑妃・徳妃・賢妃が並びます。
物語を読み始めたばかりだと、黄玲琳や朱慧月といった「雛女」と、朱雅媚ら「妃」の立場が混ざってしまいがちですよね。
まずは現在の後宮を支える女性たちの序列を、シンプルに整理してみましょう。
序列 位 人物 家 雛女との関係
1位 皇后 黄絹秀 黄家 黄玲琳の伯母・後見人
2位 貴妃 朱雅媚 朱家 朱慧月の後見人
3位 淑妃 金麗雅 金家 金清佳の後見人
4位 徳妃 藍芳林 藍家 藍芳春の後見人
5位 賢妃 玄傲雪 玄家 玄歌吹の後見人
つまり、ざっくり書けば「皇后 > 貴妃 > 淑妃 > 徳妃 > 賢妃」です。
なかでも押さえておきたいのが、皇后と四夫人は単に宮中にいる偉い女性というだけでなく、それぞれ黄・朱・金・藍・玄という五家と密接につながっている点です。
黄家からは皇后・黄絹秀。
朱家からは貴妃・朱雅媚。
金家からは淑妃、藍家からは徳妃、玄家からは賢妃が出ており、その次世代として雛女たちが皇太子・尭明の妃候補として集められています。
ここを把握すると、本作の後宮が急に見やすくなります。
現在の後宮の序列と、未来の皇后・妃を決める雛女たちの競争が同時進行しているんですね。
個人的には、この「親世代の序列が、そのまま雛女たちへのプレッシャーとして降りてくる」という構造こそ、本作の宮廷劇を面白くしているポイントだと感じます。
単純な令嬢同士のライバル争いではありません。
後ろにはそれぞれの家と後見人、さらに何代にもわたる感情や思惑までぶら下がっています。
雛女はすでに「妃」なの?
ここはかなり間違えやすい部分ですが、黄玲琳・朱慧月・金清佳・藍芳春・玄歌吹の5人は、現在の皇帝の妃ではありません。
彼女たちは「雛女(ひめ)」と呼ばれる、皇太子・詠尭明の次代の妃候補です。
詠国には、五つの名家から婚姻前の姫君を集め、次代の妃として育てる「雛宮」があります。
黄玲琳が「次期皇后の有力候補」とされているのも、すでに皇后だからではなく、皇太子・尭明が即位した未来に皇后となる可能性が非常に高い人物だからです。
一方、黄絹秀や朱雅媚らは現在の後宮において正式な地位を持つ女性たち。
この「現役の妃」と「次世代候補」の違いは、ぜひ最初に押さえておきたいところです。
朱雅媚こと朱貴妃はどれくらい偉い?
朱雅媚は「貴妃」であり、四夫人の筆頭。皇后・黄絹秀に次ぐ非常に高い地位にいます。
検索では「ふつつかな悪女ではございますが 朱貴妃」「朱雅媚」「しゅがび」などで調べる人も多い人物ですが、名前の読み方は朱雅媚(しゅ・がび)です。
そして、この「皇后に次ぐ」という立場を知ってから第一幕を振り返ると、朱雅媚というキャラクターの怖さが一段とよく分かります。
朱雅媚は朱慧月の後見人です。
表向きは奥ゆかしく温和で、慈悲深い人物として振る舞い、宮中でも慧月に手を差し伸べる恩人のように見えていました。
慧月自身も幼少期から恵まれた環境にいたわけではなく、周囲から冷遇され続けています。
そんな慧月を雛女に選び、後ろ盾になった朱雅媚は、最初のうちは数少ない味方に見えるんですよね。
ところが第一幕が進むと、その印象は大きく変わります。
玲琳と慧月が受けてきた出来事の裏側をたどっていくなかで、朱雅媚こそが慧月の劣等感や道術を利用していた人物だったことが明らかになっていきます。
朱雅媚が恨みを抱いていた相手は、皇后・黄絹秀。
かつて親しい間柄だった2人ですが、過去の悲劇やすれ違いが積み重なり、雅媚は絹秀に対して深い感情を抱えるようになりました。
そして皇后を狙う計画において邪魔になったのが、黄家の雛女・黄玲琳です。
玲琳は病弱だったからこそ生活環境や衛生に細心の注意を払い、さらに身体を鍛えるため弓の鍛錬も続けていました。
そうした玲琳の日常が、本人の知らないところで朱雅媚の企てを妨げる要因になっていたわけです。
そこで利用されたのが慧月でした。
玲琳への劣等感を抱く慧月を心理的に追い込み、玲琳との入れ替わりへ向かわせる。
つまり第一幕の入れ替わり事件は、慧月だけの嫉妬から偶発的に起こった騒動ではなく、後宮ナンバー2ともいえる朱貴妃の思惑が絡んだ事件だったと分かってきます。

なぜ「貴妃」という序列が朱雅媚の怖さにつながるのか
ここで重要なのは、朱雅媚が単なる慧月の親族や教育係ではないことです。
皇后のすぐ下に立つ貴妃だからこそ、人・情報・宮殿・女官たちに大きな影響力を及ぼせる立場にあります。
もし雅媚が序列の低い女官だったなら、物語のスケールはかなり違っていたでしょう。
しかし彼女は四夫人の最上位です。
皇后と同じ後宮の最高権力層に属しながら、その皇后へ強い感情を向けている。
この距離の近さが第一幕の緊張感を生んでいます。
そして事件が解決すると、朱雅媚は失脚。
朱駒宮では妃が不在となり、それまで雅媚という大きな後ろ盾の下にいた朱家側の環境も一変していきます。
番外編では、朱貴妃が追放された後、動揺する朱駒宮から女官が次々と去っていく様子も描かれています。
これは「貴妃を1人失った」だけではありません。
朱家という勢力そのものが、後宮で大きな支柱を失ったと見るほうが分かりやすいでしょう。
だからこそ、残された朱慧月が自分自身の力で周囲との関係を築き直していく意味も大きくなります。
貴妃・淑妃・徳妃・賢妃にはどんな違いがある?
四夫人の序列は、貴妃、淑妃、徳妃、賢妃の順です。
「賢妃」という名前を見ると、「賢い妃なのだから一番上なのでは?」と感じるかもしれませんが、本作ではそうではありません。
賢妃は四夫人の中では最も下位です。
そのため、名前の印象ではなく「四夫人の中で何番目か」で覚えてしまうのがおすすめです。
貴妃が1番上、淑妃が2番目、徳妃が3番目、賢妃が4番目。
そして、そのさらに上に皇后がいる。
これだけ頭に入れておけば、後宮で誰が誰に対して強い発言力を持ちやすいのかがかなり理解しやすくなります。
ただし、本作のおもしろいところは、官位が高い=何でも思い通りになる、ではないことです。
朱雅媚は四夫人筆頭の貴妃ですが、頂点には黄絹秀という皇后がいます。
さらに妃たち自身の家柄、人間関係、皇帝との距離、雛女への影響力などが複雑に絡むため、単純な数字だけでは実際の力関係を測れません。
第三幕「鑽仰礼編」になると、この構造がさらに分かりやすく表面化します。
鑽仰礼は、雛女たちの序列を決めるために行われる中間審査。
玲琳は序列そのものに強い関心を持っていませんが、金家の清佳や藍家の芳春が絡むことで、五家の対立が激しくなっていきます。
しかし清佳や芳春も、単純に玲琳を嫌って好き勝手に動いていたわけではありません。
背後には後見人である淑妃や徳妃の思惑が存在し、雛女たちは親世代の政治的な事情に巻き込まれていきます。
ここがかなり重要です。
第一幕だけを見ると「朱貴妃が特別に危険だった」という話に見えます。
けれど物語が進むほど、雛宮とは五人の少女だけが競っている場所ではなく、五家と現役の妃たちの思惑まで交差する場所だと見えてくるんです。
僕は、この構造を理解してから鑽仰礼編を読むと、清佳や芳春への印象もかなり変わると思います。
表面だけなら「玲琳を妨害するライバル」。
一段深く見ると「上の世代が築いた序列と価値観を背負わされた少女たち」です。
だから本作は、単純な悪女退治だけでは終わらないんですよね。
黄絹秀と朱雅媚の関係は妃の序列を知るとどう見える?
黄絹秀は皇后、朱雅媚は皇后に次ぐ貴妃。2人の関係は、個人的な友情と後宮の序列が重なったものです。
第一幕の核心を理解するうえで、この上下関係はかなり重要です。
絹秀と雅媚には過去から続く因縁があります。
雅媚はかつて子どもを失う悲劇を経験し、その前後で絹秀との間にも大きなすれ違いが生まれていました。
絹秀側にも雅媚を案じる気持ちはありましたが、それは雅媚が必要としていた形では届かなかった。
長い年月を経て、その溝が皇后と貴妃という巨大な権力を持つ2人の対立へつながってしまいます。
ここで「皇后と貴妃」という序列が効いてきます。
雅媚は後宮の底辺から皇后を恨んでいたわけではありません。
皇后のすぐ隣まで上りながら、それでも決して皇后そのものにはなれない位置にいる人物なんです。
もちろん作中で、官位だけが雅媚の動機だったと単純化することはできません。
根底にあるのは20年前から続く個人的な傷や誤解です。
ただし、個人的な痛みを抱えた2人が「皇后」と「貴妃」という政治的にも極めて近い位置にいたことで、その感情が後宮全体を巻き込む規模に膨らんだと考えられます。
この点が、僕は本作らしいところだと思っています。
役職だけなら「皇后対貴妃」。
人間関係だけなら「すれ違った旧友」。
そこへ黄家と朱家、玲琳と慧月、道術、次世代の妃選びまで結びつく。
だからこそ第一幕の決着は、悪人を倒して終わるだけの勧善懲悪になりません。
事件の最後には絹秀と雅媚の長年の感情にも向き合う展開があり、朱雅媚という人物を単なる悪役として片付けない余韻が残されています。
この「敵にも敵になるまでの歴史がある」という描き方が、玲琳と慧月の関係にも共通しているんですよね。
雛女の序列と妃の序列は別物?鑽仰礼との関係を解説
妃の序列と雛女の序列は別物です。ここを分けて考えると『ふつつかな悪女ではございますが』の後宮関係が一気に整理できます。
現在の皇后・四夫人には、すでに「皇后・貴妃・淑妃・徳妃・賢妃」という階位があります。
一方、玲琳たち五人の雛女は、皇太子の将来の妃候補。
まだ現在の皇帝の后妃として「貴妃」「賢妃」などの位を持っているわけではありません。
そして雛女たちの評価を左右する大きな行事のひとつが、第三幕に登場する「鑽仰礼」です。
鑽仰礼では3つの課題によって雛女たちが審査され、その序列が競われます。
つまり本作には、同時に二つの縦軸が存在します。
ひとつは、現世代の皇后と四夫人による序列。
もうひとつは、次世代を担う五人の雛女の序列です。
この二重構造こそ、僕が妃の序列を理解するうえで一番注目してほしいポイントです。
たとえば朱慧月は、本人が「貴妃」なのではありません。
貴妃である朱雅媚を後見人に持つ朱家の雛女です。
同じように玲琳本人が現皇后なのでもなく、皇后・黄絹秀の姪であり黄家の雛女。
ただし玲琳は才色兼備で性格もよく、皇太子・尭明からも強く思われているため、次期皇后の最有力候補と見られています。
だから玲琳と慧月の差は、単純な「皇后候補と悪女」というだけではありません。
背後にいる人物の現在の地位まで含めれば、皇后を擁する黄家と、四夫人筆頭の貴妃を擁する朱家という二大勢力の次世代でもあるわけです。

この視点で第一幕の「黄玲琳と朱慧月の入れ替わり」を見直すと、事件の大きさも変わって見えます。
ただ少女2人の身体が入れ替わっただけではありません。
未来の皇后候補として最有力だった黄家の玲琳と、貴妃の庇護下にある朱家の慧月が入れ替わった。
しかも、その背後に現役の貴妃・朱雅媚がいた。
宮廷全体を揺るがして当然の事件だったわけです。
妃の序列から見る『ふつつかな悪女ではございますが』の面白さとは?
筆者としては、本作の妃の序列は単なる世界観設定ではなく、登場人物が「自分らしく生きること」を妨げる圧力を可視化した仕組みだと考えています。
玲琳は皇后の姪であり、次期皇后の有力候補。
誰からも愛され、美しく、才能があり、常に完璧に振る舞うことを期待される人物です。
ところが実際の玲琳は、いつ命を落としてもおかしくないほど弱い身体と付き合いながら、根性で日々を生き抜いていました。
対する慧月は貴妃・朱雅媚を後見人に持ちながら、周囲から「雛宮のどぶネズミ」と蔑まれ、自分には何もないと思い込んでいます。
表面的な序列だけなら、どちらも恵まれた名家の雛女です。
けれど本人が感じている幸福とは一致していません。
むしろ2人が身体を入れ替えたことで、「誰からも愛される玲琳の身体」が慧月にとっては苦痛になり、「嫌われ者の慧月の身体」が玲琳にとっては人生最大級の喜びになる。
この逆転があるから、本作では権力や美貌だけで人物の幸不幸を測れないんですよね。
さらに第三幕になると、清佳や芳春、歌吹まで含めた五家の雛女が、それぞれ背負わされてきたものを見せ始めます。
最初は対立していた五人が、やがて同じ問題に立ち向かう流れは、「家の序列から個人の関係へ」という物語の変化にも見えます。
これはかなり大きな意味を持つと僕は感じています。
親世代では、皇后・貴妃・淑妃・徳妃・賢妃という縦の順番が厳然として存在します。
一方で次世代の玲琳たちは、その序列だけでは説明できない友情や共闘関係を作り始める。
言い換えれば、親世代が「順位」に縛られた物語なら、雛女たちはその順位を越えて横につながっていく物語とも読めます。
朱雅媚の事件が単なる敵討ちで終わらず、慧月の成長へつながっていることも同様です。
貴妃という巨大な後ろ盾を失ったあと、慧月は以前のように雅媚へ依存するのではなく、玲琳から学びながら自分自身の価値を作ろうとします。
だから今後の物語を考えるうえでも、「誰が何位か」だけではなく、「その序列から人物がどう自由になっていくか」を見ると、より楽しめるはずです。
読者レビューでも、中華風後宮作品は人物名や官位が多く、序盤で少し戸惑ったという趣旨の声が見られます。
僕自身も、この作品は五家・雛女・妃の対応関係が頭に入った瞬間、人物同士の会話の裏側が格段に読み取りやすくなるタイプの作品だと思います。
序列を覚える目的は、設定試験に合格するためではありません。
「なぜこの人はここまで焦っているのか」「なぜこの雛女に結果が求められるのか」という感情を理解するための地図なんです。
まとめ|朱貴妃は皇后に次ぐ地位、賢妃は四夫人の4番目
『ふつつかな悪女ではございますが』の後宮では、皇后・黄絹秀が頂点に立ち、その下に貴妃・淑妃・徳妃・賢妃という四夫人が続きます。
朱雅媚は朱慧月の後見人である「貴妃」。四夫人では最高位であり、皇后に次ぐ強い立場を持っていました。
一方の賢妃は、名前だけ見ると非常に高位に感じますが、四夫人では4番目に位置します。
そして最も大切なのは、玲琳や慧月たち「雛女」は現在の妃ではなく、皇太子・尭明の次世代の妃候補だという点です。
本作では、現在の「皇后・四夫人」の序列と、未来を競う「五人の雛女」の序列が重なっています。
この二重構造を理解すると、朱雅媚の陰謀、鑽仰礼で清佳や芳春が追い詰められる理由、五家が簡単には仲良くできなかった背景まで一本につながって見えてきます。
宮廷の肩書は一見ややこしいですが、皇后 > 貴妃 > 淑妃 > 徳妃 > 賢妃だけでも覚えておけば十分。
そこから黄・朱・金・藍・玄の五家を対応させていけば、『ふつつかな悪女ではございますが』の後宮劇をずっと深く楽しめます。
よくある質問
『ふつつかな悪女ではございますが』で一番偉い妃は誰?
現在の後宮では皇后・黄絹秀が最上位です。
その下に四夫人がいて、貴妃・淑妃・徳妃・賢妃の順に続きます。朱雅媚は四夫人筆頭の貴妃なので、皇后に次ぐ地位です。
朱雅媚は「貴妃」と「朱貴妃」のどちらが正しい?
朱雅媚の位が「貴妃」で、朱家の貴妃なので作中や解説では「朱貴妃」と呼ばれます。
名前は朱雅媚(しゅ・がび)。朱慧月を雛女に選んだ後見人であり、第一幕の入れ替わり事件の核心に深く関わる人物です。
賢妃と貴妃ではどちらが上?
貴妃のほうが上です。
四夫人は貴妃、淑妃、徳妃、賢妃の順で、賢妃は四夫人の中では最下位。ただし官位が低いから物語上の重要度まで低いという意味ではなく、本作では五家それぞれの事情や人間関係が物語を大きく動かします。
アニメ情報ナビゲーター・涼風 結人


