『ラザロ』が『バナナフィッシュ』に似てる最大の理由は、林明美氏とMAPPAが生み出す共通の映像美にあります。
ただし、ストーリーの中心は別物です。『バナナフィッシュ』がアッシュと英二の関係を軸にしたクライムサスペンスであるのに対し、『ラザロ』は人類滅亡を阻止する5人のチームを描く近未来SFアクションです。
2025年4月6日に放送が始まった全13話のオリジナルアニメ『LAZARUS ラザロ』は、渡辺信一郎監督、キャラクターデザインの林明美氏、制作会社MAPPAという豪華な布陣でも注目されました。YouTube+1
この記事では、「ラザロとバナナフィッシュは本当に似てるの?」「バナナフィッシュみたいなアニメを観たい人にラザロは合う?」という疑問に、制作陣・物語・キャラクター・演出の違いから答えていきます。
この記事を読むとわかること
- アニメ『ラザロ』と『バナナフィッシュ』の共通点と違い
- 制作陣・演出・テーマの観点から見た類似性
- 「バナナフィッシュみたいなアニメ」として『ラザロ』を楽しめる人
- 似ているようで異なる、両作品の感情表現
- 声優陣に見られる意外な共通点
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- 主人公アクセルの謎を解説
- 第1話の評価が賛否両論!
- ラザロ配信中のVODは?
- ED曲「Lazarus」の意味とは
ラザロとバナナフィッシュが似てると言われる最大の理由は?
『ラザロ』と『バナナフィッシュ』が似てる最大の理由は、キャラクターデザインの林明美氏と、アニメーション制作のMAPPAが両作品に参加しているからです。
人物の細い輪郭、鋭さと繊細さを併せ持つ目元、都会の風景の中に立つキャラクターの物憂げな佇まいなど、ひと目で通じるビジュアルがあります。
検索結果やSNSで「アクセルを見た瞬間にアッシュを思い出した」という声が生まれやすいのも、単なる偶然ではありません。
比較項目 『ラザロ』 『バナナフィッシュ』 類似度
キャラクターデザイン 林明美 林明美 高い
アニメーション制作 MAPPA MAPPA 高い
舞台 西暦2052年の世界各地 ニューヨーク 一部共通
物語の発端 鎮痛剤ハプナの危険性 謎の言葉と薬物の陰謀 高い
主人公 驚異的な身体能力を持つアクセル 卓越した戦闘力を持つアッシュ 高い
人間関係の中心 5人のチーム アッシュと英二 大きく異なる
ジャンル 近未来SFアクション クライムサスペンス 異なる
キャラデザと制作スタジオが共通している
『ラザロ』では、渡辺信一郎監督のもと、林明美氏がキャラクターデザインを担当し、MAPPAがアニメーション制作を手がけています。
『バナナフィッシュ』でも、林明美氏がキャラクターデザインを担当し、制作会社はMAPPAです。ここは「なんとなく似ている」ではなく、公式スタッフ情報で確認できる明確な共通点となっています。LAZARUS ラザロ+1
林明美氏のデザインは、キャラクターを必要以上に装飾せず、表情や姿勢から内面を想像させるところが魅力です。
アッシュもアクセルも、ただ立っているだけで「何か背負っていそう」と感じさせます。こちらが勝手に心配してしまう顔をしている、と言ったほうが早いかもしれません。
特に、細身のシルエットと鋭い眼差し、都会的な衣装、ふとした瞬間に見せる無防備な表情は、両作品を視覚的に結びつけています。
薬をめぐる大規模な陰謀が物語を動かす
両作品は、薬に関係する陰謀がストーリーの出発点になるという点でも似ています。
『バナナフィッシュ』では、ニューヨークのストリートギャングを束ねるアッシュ・リンクスが、瀕死の男から「バナナフィッシュ」という謎の言葉を聞きます。
同じ言葉を兄のグリフィンも口にしていたことから、アッシュは日本人の青年・奥村英二らとともに、その正体を追っていきます。TVアニメ「BANANA FISH」公式サイト+1
『ラザロ』では、天才科学者スキナーが開発した鎮痛剤「ハプナ」が、実は人類を滅亡させる危険を秘めていたことが判明します。
刑務所に収容されていたアクセルは、スキナーを捜し出すために集められたチームへ加わり、人類に残された時間の中で世界規模の捜索に挑みます。LAZARUS ラザロ+2LAZARUS ラザロ+2
つまり、どちらも入り口には「薬」と「隠された真相」があります。
ただし、同じ薬でも役割は異なります。『バナナフィッシュ』の薬物は人間による支配と搾取を象徴し、『ラザロ』のハプナは科学技術と人類の選択を問う装置として機能しているのです。
“生と死”“闇の中の希望”を描くテーマが近い
『ラザロ』と『バナナフィッシュ』には、登場人物の身近な場所に常に「死」が存在するという共通点があります。
『ラザロ』では、人類を救ったはずの鎮痛剤が、やがて服用者の命を奪うと告げられます。スキナーを発見できなければ、人類全体が危機に直面するという極限状態です。
『バナナフィッシュ』でも、アッシュたちは暴力や権力に支配された世界で、自分たちの尊厳と自由を守ろうとします。
どちらも明るく楽しいだけの冒険ではありません。登場人物が笑っているだけで、視聴者が「この時間、ずっと続いてくれ……」と祈りたくなるタイプの作品です。
一方で、暗さだけを並べて終わらない点も共通しています。
過酷な状況の中でも仲間を信じること、自分の意思で進む道を選ぶこと、誰かの存在によって孤独から救われることが、物語に希望を与えています。
ラザロとバナナフィッシュのストーリーと設定の違いは?
最大の違いは、『バナナフィッシュ』がニューヨークの裏社会を描く犯罪ドラマであるのに対し、『ラザロ』は西暦2052年を舞台にした世界規模のSFアクションであることです。
似ているのはキャラクターの雰囲気や物語の入口であり、描こうとしている社会やドラマの構造は大きく異なります。
バナナフィッシュは現実的な犯罪劇、ラザロは近未来SF
吉田秋生氏による原作漫画『BANANA FISH』は、1985年から1994年にかけて連載された作品です。
物語は1985年のニューヨークを起点とし、17歳のアッシュが薬物と権力をめぐる陰謀へ巻き込まれていきます。2018年には内海紘子監督、MAPPA制作で全24話のテレビアニメとなりました。小学館コミック+2小学館+2
現実に存在する都市や社会制度、軍、政治家、犯罪組織などが物語に深く関わるため、画面から伝わる危険に生々しさがあります。
対する『ラザロ』の舞台は西暦2052年です。
近未来都市、ドローン、AI、高度な医療技術、世界各地を移動するエージェントなど、SF的な要素を前面に押し出しています。
『バナナフィッシュ』が「現実の社会には、若者を逃がさない構造がある」と突きつける作品なら、『ラザロ』は「人類が自ら作った技術に、どこまで責任を負えるのか」と問いかける作品です。
どちらも重い。重いのですが、重りの種類が違います。
ひとりの少年をめぐる物語と、人類全体を救う物語
『バナナフィッシュ』は巨大な陰謀を扱いながらも、物語の感情的な中心にはアッシュというひとりの少年がいます。
アッシュは頭脳と戦闘能力に恵まれている一方で、長く暴力や搾取にさらされてきました。
彼が自由を得られるのか、英二との出会いによって何を取り戻していくのかが、物語の大きな軸です。
『ラザロ』では、アクセル個人の活躍だけでなく、ダグ、クリスティン、リーランド、エレイナを含む5人のチーム全体に役割が与えられています。
公式の物語紹介でも、「ラザロ」はスキナーを捜すために結成されたチームとして描かれています。LAZARUS ラザロ+1
そのため、ドラマの重心も異なります。
- 『バナナフィッシュ』は、アッシュと英二の関係を中心に人物の感情を深く掘り下げる
- 『ラザロ』は、能力も過去も異なるメンバーが連携し、世界規模の危機へ立ち向かう
- 『バナナフィッシュ』は、ひとりの少年が自由を求める物語
- 『ラザロ』は、限られた時間の中で人類の未来を取り戻す物語
『ラザロ』のほうが登場人物の視点が分散されるため、アッシュと英二のような一対一の濃密な関係を期待すると、少し違って見えるでしょう。
政治とドラッグ、テクノロジーと科学倫理
両作品とも「薬を利用した陰謀」を描きますが、その本質は異なります。
『バナナフィッシュ』では、薬物を利用して人間の精神や行動を支配しようとする者たちが登場します。
その裏には犯罪組織だけでなく、政治や軍事に関わる権力が存在し、アッシュたちは巨大な構造と戦うことになります。
『ラザロ』の中心にあるのは、奇跡の鎮痛剤として世界中へ普及した「ハプナ」です。
人類を苦痛から解放した薬が、一転して人類滅亡の原因になる。この構図によって、作品は科学者の責任、薬を受け入れた社会、便利さを求めた人類の選択へと問いを広げています。
作品名 中心テーマ 描かれる陰謀
『バナナフィッシュ』 ドラッグと権力 薬物を利用した人間支配
『ラザロ』 科学と倫理 鎮痛剤を起点とする人類規模の危機
『バナナフィッシュ』では、人間の悪意が薬物を道具にします。
『ラザロ』では、善意から生まれたはずの科学が、社会全体を危機へ追い込みます。同じ「薬の陰謀」でも、問いかける方向はかなり違うのです。
30日間のタイムリミットが生むスピード感
『ラザロ』では、スキナーが提示した30日間という期限が、物語全体を動かす時計になります。
どれだけ有力な手がかりを見つけても、時間は止まってくれません。捜索、戦闘、仲間の事情、各地で発生する事件が、ひとつの期限へ向かって集約されていきます。LAZARUS ラザロ+1
『バナナフィッシュ』にも切迫した展開はありますが、物語を縛る明確な世界規模のカウントダウンはありません。
追われながら真相へ近づく『バナナフィッシュ』と、期限までに答えを見つけなければならない『ラザロ』。
この違いが、作品のテンポにも影響しています。
キャラクターの描かれ方はどこが共通し、どこが違う?
アッシュとアクセルは、卓越した身体能力と孤独を感じさせる主人公という点で似ていますが、物語の中で担う役割は異なります。
アッシュは人間関係と心理描写の中心に立ち、アクセルはチームアクションを前へ進めるエンジンとして描かれています。
孤独な主人公と支える存在という構図
『バナナフィッシュ』では、アッシュと英二の出会いが物語を大きく変えます。
英二はカメラマンの助手としてニューヨークを訪れた日本人大学生で、素直で穏やかな性格を持つ一方、危険な状況でも簡単には引き下がらない人物です。TVアニメ「BANANA FISH」公式サイト+1
アッシュにとって英二は、裏切りや暴力を前提としない関係を築ける貴重な存在でした。
英二は戦闘力でアッシュを守るわけではありません。それでも、アッシュが自分を人間として取り戻すための心の支えになります。
『ラザロ』のアクセルにも、孤独を好み、他人に簡単には縛られない性質が見られます。
しかし、アクセルを支えるのは特定のひとりではなく、ダグ、クリスティン、リーランド、エレイナを含むチームです。
それぞれが異なる能力を持ち、衝突しながらも任務を通して関係を築いていきます。
つまり、両作品とも「孤独な人物が他者とのつながりによって変化する」という構図を持っていますが、一対一の魂の交流か、チームとしての信頼かという違いがあります。
心に傷を抱えたキャラクターの内面を描く
両作品のキャラクターは、単純な善人と悪人に分けられません。
アッシュは高い知性と戦闘能力を持ちながら、過去に受けた支配や暴力の影響を抱えています。
誰よりも強く見える人物が、実は安心して眠れる場所を持っていない。その矛盾が、アッシュというキャラクターを忘れがたい存在にしています。
アクセルは驚異的な身体能力と判断力を持ち、街中を軽々と駆け抜ける人物です。
第1話では刑務所から脱走し、追跡するラザロのメンバーを相手にパルクールを披露します。LAZARUS ラザロ+1
アクセルの大胆な行動は、自由への強い執着として映る一方、自分の命を危険へ投げ込むような危うさも感じさせます。
キャラクター 代表的な葛藤
アッシュ 過去の支配から逃れ、自分の自由を得られるか
アクセル 何者にも縛られない自由と、チームの責任を両立できるか
筆者としては、アッシュの葛藤は「生きる場所を求める苦しさ」、アクセルの葛藤は「自由に生き続けるための選択」として描かれているように感じます。
似た孤独をまとっていても、ふたりが向かう先は同じではありません。
ラザロはアクションで人物の個性を見せる
『バナナフィッシュ』にも銃撃戦や格闘、逃走劇があります。
ただし、そのアクションは主に、アッシュが置かれている危険や人間関係の変化を描くために使われます。
対して『ラザロ』は、パルクール、銃撃、格闘、乗り物を使った追跡など、身体の動きそのものが作品の大きな見どころです。
『ラザロ』では『ジョン・ウィック』シリーズで知られるチャド・スタエルスキがアクション監修を担当しており、国内外のスタッフによる動きの設計が作品の特徴になっています。LAZARUS ラザロ+1
アクセルの性格も、長い独白より「どう走るか」「どう避けるか」「どこから飛ぶか」に表れます。
普通なら階段を使う場面でも、アクセルは壁や手すりを経由します。移動のたびに命を懸けなくてもいいのですが、そこがアクセルです。
『ラザロ』は、動きによってキャラクターを語るアニメといえるでしょう。
声優陣にも意外な共通点がある
制作陣だけでなく、声優陣にも見逃せない共通点があります。
声優 『バナナフィッシュ』 『ラザロ』
内田雄馬 アッシュ・リンクス リーランド
古川慎 ショーター・ウォン ダグ
『バナナフィッシュ』でアッシュを演じた内田雄馬さんは、『ラザロ』ではチームの一員であるリーランドを担当しています。
また、アッシュの仲間であるショーター・ウォンを演じた古川慎さんは、『ラザロ』でダグを演じています。LAZARUS ラザロ+1
両作品を続けて観ると、声の印象から不思議なつながりを感じる人もいるでしょう。
ただし、演じるキャラクターの性格や立場は異なります。声が同じだから似た役、という単純な配置ではない点も面白いところです。
ビジュアル・音楽・演出の“空気感”はなぜ近い?
両作品の空気感が近く見えるのは、林明美氏のキャラクターデザイン、MAPPAの都市描写、静けさと緊張を同居させる演出が重なっているためです。
一方で、監督、色彩設計、音楽担当は異なります。まったく同じ作風を再現しているわけではありません。
哀愁を感じさせるキャラクターの佇まい
『バナナフィッシュ』では、ニューヨークの街並み、暗い路地、室内へ差し込む光などが、アッシュの孤独や緊張を視覚化しています。
キャラクターが感情を言葉で説明しなくても、目線や肩の力、立つ位置によって関係性が伝わってきます。
『ラザロ』でも、近未来都市の鋭い光、広い空間にひとりで立つ人物、都市の美しさと無機質さを組み合わせた画面が印象的です。
『ラザロ』の美術監督は杉浦美穂氏、色彩設計は田辺香奈氏です。一方、『バナナフィッシュ』では美術監督を水谷利春氏、色彩設計を鎌田千賀子氏が担当しています。LAZARUS ラザロ+1
色彩設計の担当者は異なるため、両作品の色が完全に同じというわけではありません。
それでも似た印象を受けるのは、人物の造形と都市空間の組み合わせが近いからでしょう。
林明美氏のキャラクターがMAPPAの描く街に立つ。それだけで、画面に独特の哀愁が生まれるのです。
音楽の方向性は異なるが、都会的な余韻は共通する
『ラザロ』の音楽は、Kamasi Washington、Bonobo、Floating Pointsが担当しています。
オープニングテーマ「VORTEX」をはじめ、ジャズ、エレクトロニカ、クラブミュージックの感触を持つ楽曲が、近未来の都市とダイナミックなアクションを彩っています。LAZARUS ラザロ+1
『バナナフィッシュ』の劇伴音楽は大沢伸一氏が担当しました。TVアニメ「BANANA FISH」公式サイト
音楽の作り手は異なりますが、両作品とも都会の冷たさ、登場人物の孤独、事件が動き出す緊張感を音で表現しています。
作品 主な音楽担当 音楽の印象
『ラザロ』 Kamasi Washington、Bonobo、Floating Points ジャズと電子音楽を交えた国際的で浮遊感のある音
『バナナフィッシュ』 大沢伸一 都会の緊張と人物の感情を支えるエモーショナルな音
『ラザロ』の音楽は、身体を前へ動かすリズムが強く、アクションと結びついています。
『バナナフィッシュ』の音楽は、人物が言葉にできない感情を静かに補う場面で、より強く残ります。
似ているのは楽曲そのものではなく、音楽を背景ではなく物語の感情として使っていることです。
“説明しすぎない演出”が余韻を残す
両作品は、視聴者へすべてを言葉で説明するタイプのアニメではありません。
『バナナフィッシュ』では、アッシュと英二の関係が、会話だけでなく距離、視線、沈黙によって描かれます。
ふたりが同じ部屋にいるだけの場面でも、「今、この時間がどれほど貴重なのか」が伝わってくるのです。
『ラザロ』でも、登場人物の表情や街の風景、音楽だけで進む時間が用意されています。
ただし、『ラザロ』の原作・監督は渡辺信一郎氏、『バナナフィッシュ』の監督は内海紘子氏です。監督が同じだから演出が似ている、というわけではありません。LAZARUS ラザロ+1
筆者としては、両作品の共通点は監督の演出方法よりも、キャラクターの感情を画面の余白に残す姿勢にあると考えています。
視聴者に考える時間を渡すことで、キャラクターの痛みが自分の中へじわじわ入り込んでくるのです。
バナナフィッシュみたいなアニメを探す人にラザロはおすすめ?
『バナナフィッシュ』の都会的な映像、薬をめぐる陰謀、危うい主人公が好きな人には、『ラザロ』はおすすめできる作品です。
一方で、アッシュと英二のような一対一の濃密な関係や、現実社会に根差した悲劇を最優先で求める場合は、期待する方向と異なる可能性があります。
ラザロを楽しみやすい人
『バナナフィッシュ』の次に観る作品として『ラザロ』が向いているのは、次のような人です。
- 林明美氏のキャラクターデザインが好き
- MAPPAによるスタイリッシュな都市アニメを観たい
- 薬や科学をめぐる陰謀ものが好き
- 高い身体能力を持つ主人公の逃走劇や戦闘が好き
- 暗い状況でも希望を失わない物語が好き
- 音楽と映像が一体化したアクションを楽しみたい
- 世界各地を移動するグローバルな物語が好き
- 個性の異なるメンバーによるチームものが好き
キャラクターの顔立ちや画面の雰囲気を重視して「バナナフィッシュに似てるアニメ」を探しているなら、『ラザロ』はかなり有力な候補です。
薬をめぐる謎、都市での追跡、若者たちの危うさという共通項もあり、視聴開始直後から入りやすいでしょう。
求めるものによっては違いを感じやすい
反対に、次の要素を最優先している場合は、『ラザロ』を「バナナフィッシュと同じタイプ」と考えすぎないほうがよいでしょう。
- アッシュと英二のような一対一の関係性
- ひとりの主人公を徹底的に掘り下げる心理劇
- 現実の社会問題と直結した犯罪ドラマ
- 人間同士の支配や搾取を中心にした重い物語
- ゆっくり積み重なる感情の交流
- 恋愛とも友情とも一言では表せない深い結びつき
『ラザロ』は群像劇であり、複数のキャラクターと事件をテンポよく動かします。
そのため、アッシュと英二の関係だけを追い続ける『バナナフィッシュ』のような密度とは異なります。
『バナナフィッシュ』で好きだった要素 『ラザロ』との相性
林明美氏のキャラクターデザイン 非常に高い
MAPPAの都会的な映像 高い
薬をめぐる陰謀 高い
銃撃・逃走・格闘 高い
アッシュと英二の関係性 方向性が異なる
現実的な犯罪社会の描写 方向性が異なる
SF・近未来技術 『ラザロ』のほうが強い
チームアクション 『ラザロ』のほうが強い
「同じ作品をもう一度味わいたい」と考えると違いが気になりますが、「似た美学を持つ別ジャンルの作品」と考えると楽しみやすくなります。
バナナフィッシュに似てる作品としての近さは“外側が高く、内側が異なる”
『ラザロ』と『バナナフィッシュ』の関係を端的に表すなら、外側の印象は近く、感情の中心は異なるとなります。
外側とは、キャラクターデザイン、都市の風景、薬をめぐる陰謀、銃撃や追跡、主人公の危うさです。
内側とは、作品が最終的に何を描こうとしているかという部分です。
『バナナフィッシュ』の感情的な中心には、自由を奪われてきたアッシュと、彼をありのまま受け止める英二がいます。
『ラザロ』の中心には、科学によって危機へ追い込まれた人類と、限られた時間の中で答えを探すチームがあります。
見た目が似ているからこそ、物語を観進めたときの違いも鮮明になるのです。
考察:似ているけど違う、両作品の魅力の正体
『ラザロ』と『バナナフィッシュ』は、同じ作品の別バージョンではありません。
『ラザロ』は『バナナフィッシュ』の続編でも、世界観を共有する関連作品でもなく、渡辺信一郎監督による独立したオリジナルアニメです。LAZARUS ラザロ+1
それでも両作品を結びつけて語りたくなるのは、キャラクターがまとっている「孤独の温度」が近いからではないでしょうか。
似ているのはクリエイター陣の美学
林明美氏のキャラクターは、感情を大きく誇張しなくても、その人物が経験してきた時間を想像させます。
アッシュの眼差しには、周囲を警戒する鋭さと、誰かを信じたい弱さが同居しています。
アクセルの表情には、危険を楽しむ余裕と、どこにもとどまろうとしない落ち着かなさがあります。
ふたりの性格や過去は異なりますが、強さの奥に危うさが見えるという点は共通しています。
さらに、MAPPAによる都市空間と組み合わさることで、人物の孤独がより強調されます。
高層ビル、道路、路地、無機質な室内。人が大勢いるはずの都市で、主人公だけがひとりに見える構図が、両作品の哀愁につながっているのでしょう。
異なるのは“カメラが見つめる範囲”
筆者としては、両作品の決定的な違いは、物語のカメラがどこを見ているかにあると考えています。
『バナナフィッシュ』のカメラは、巨大な陰謀を描きながらも、最後までアッシュというひとりの人間を見つめ続けます。
社会の闇を描くことも、薬物の謎を追うことも、最終的には「アッシュは自由になれるのか」という問いへ戻ってきます。
『ラザロ』のカメラは、アクセルだけでなく、チームの仲間、スキナー、ハプナを受け入れた社会、科学技術に依存する人類全体へ広がっていきます。
個人の救済を見つめる『バナナフィッシュ』と、人類の選択を見つめる『ラザロ』。
この視点の違いが、同じように見える画面から別の物語を生み出しています。
切なさの表現方法が異なる
『バナナフィッシュ』の切なさは、アッシュが望むものが決して大げさではないところから生まれます。
安心できる場所、信頼できる相手、自分の人生を自分で選ぶこと。
本来なら誰にでも与えられるべきものが、アッシュにとっては命懸けで求めなければならない願いになっています。
『ラザロ』の切なさは、人類が便利さと幸福を求めた結果、自分たちの未来を危険にさらしてしまった皮肉にあります。
苦痛を消す薬は、人類にとって救いでした。
だからこそ、その救いが危機へ反転したとき、「誰が悪かったのか」を単純に決めることができません。
『バナナフィッシュ』は人間の悪意が生む悲劇を描き、『ラザロ』は善意や進歩さえ悲劇につながり得ることを描いているように感じます。
ラザロはバナナフィッシュの代わりではなく、次に観る価値のある作品
『バナナフィッシュ』を観終えた直後は、同じ感情をもう一度味わえる作品を探したくなるかもしれません。
しかし、アッシュと英二の関係は非常に独自性が高く、まったく同じものを別作品に求めるのは難しいでしょう。
『ラザロ』の魅力は、『バナナフィッシュ』をそのまま再現することではありません。
林明美氏とMAPPAによる共通の映像美を入り口にしながら、渡辺信一郎監督のSF、音楽、チームアクション、科学倫理の物語へ連れていくところにあります。
似ている部分を楽しみ、違う部分で新しい刺激を受ける。
その見方をすれば、『ラザロ』は「バナナフィッシュみたいなアニメ」を探している人にとって、次に観る価値のある一本です。
この記事のまとめ
- 『ラザロ』と『バナナフィッシュ』は、キャラクターデザインを林明美氏が担当している
- アニメーション制作は両作品ともMAPPA
- 薬をめぐる陰謀と、卓越した能力を持つ主人公が共通している
- 都会的なビジュアルと、静かな哀愁を感じさせる空気感が似ている
- 『バナナフィッシュ』はアッシュと英二を中心にした犯罪ドラマ
- 『ラザロ』は5人のチームが人類滅亡を阻止する近未来SF
- 内田雄馬さんと古川慎さんは、両作品で異なる役を演じている
- 『ラザロ』はパルクールや格闘など、身体を使ったアクションが強い
- 音楽担当や監督、色彩設計は異なり、演出が完全に同じではない
- 両作品は“切なさ”の表現方法が異なる
- 『ラザロ』は『バナナフィッシュ』の続編や関連作品ではない
- 似ているからこそ、それぞれの独自性も分かりやすくなる
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よくある質問
ラザロとバナナフィッシュが似てる一番の理由は?
キャラクターデザインを林明美氏、アニメーション制作をMAPPAが担当しているためです。
細身の人物造形、鋭い眼差し、都会を舞台にしたスタイリッシュな画面が、視覚的な近さを生み出しています。
ラザロはバナナフィッシュの続編ですか?
いいえ、続編ではありません。
『ラザロ』は渡辺信一郎監督によるオリジナルアニメで、『バナナフィッシュ』とストーリーや世界観のつながりはありません。
バナナフィッシュみたいなアニメを探している人にラザロは合いますか?
映像美、都市での追跡、薬をめぐる陰謀、危うい主人公が好きな人には合いやすい作品です。
ただし、『ラザロ』はチームを中心にしたSFアクションなので、アッシュと英二のような一対一の濃密な関係を期待すると違いを感じるでしょう。
ラザロとバナナフィッシュには同じ声優が出演していますか?
はい。内田雄馬さんは『バナナフィッシュ』のアッシュと『ラザロ』のリーランドを担当しています。
古川慎さんも、『バナナフィッシュ』のショーターと『ラザロ』のダグを演じています。



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