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『ふつつかな悪女ではございますが』黒幕・犯人は誰?呪いの真相を考察

朱慧月と黄玲琳の背後で慈悲深い表情を見せながら密かに陰謀を巡らせる朱雅媚 未分類

『ふつつかな悪女ではございますが』第1部の黒幕は朱貴妃・朱雅媚で、朱慧月は玲琳との入れ替わりを実行した当事者です。

アニメ第8話・第9話では朱雅媚へ疑いが集まり、原作小説1〜2巻・漫画1〜4巻にあたる範囲では、蟲毒や金家を装った工作、皇后・黄絹秀を狙う陰謀まで一連のつながりが明らかになります。

先に事件の全体像を整理すると、次の通りです。

  • 黒幕:朱貴妃・朱雅媚
  • 入れ替わりの実行者:朱慧月
  • 玲琳を苦しめたもの:蟲毒による呪い
  • 最終的に狙われた人物:皇后・黄絹秀
  • 第1部の結末:玲琳と慧月が協力して陰謀を阻止し、雅媚は失脚して流刑となる

「慧月も犯人なの?」「玲琳の病弱さも呪いだった?」「朱雅媚はなぜそこまで皇后を憎んだ?」という疑問も含め、ここから原作ネタバレありで整理していきます。

『ふつつかな悪女ではございますが』の黒幕・犯人は誰?

第1部の一連の陰謀を裏で動かしていた中心人物は、朱貴妃こと朱雅媚です。一方、玲琳と慧月の身体を実際に入れ替えたのは朱慧月本人でした。

ここは「実行者」と「黒幕」を分けて考えると、かなり分かりやすくなります。

物語の序盤では、慧月が禁術を用いて黄玲琳との魂の入れ替わりを起こします。

美しく、周囲から愛され、皇太子妃の有力候補として扱われていた玲琳に対し、慧月は強い劣等感と嫉妬を抱いていました。

「玲琳になれば自分も愛される」。

その思いから、慧月は自ら入れ替わりを実行しています。

したがって、慧月に責任がないわけではありません。玲琳の人生を奪おうとして禁術を使ったこと自体は、慧月自身の選択です。

しかし物語が進むと、その嫉妬心を長い時間をかけて刺激し、玲琳へ向かわせていた人物として朱雅媚の存在が浮かび上がります。

雅媚は幼くして両親を亡くした慧月の後見人であり、表向きには慈悲深い朱貴妃として周囲から信頼されていました。

だからこそ序盤では疑われにくいんですよね。

一方の慧月は「悪女」として知られているため、読者や登場人物の視線も自然と慧月へ向かいます。

ところが実際には、玲琳への呪い、慧月への心理的な誘導、金家を疑わせる工作などをたどっていくと、朱雅媚へつながっていきます。

アニメ第8話では、玲琳の身体で異常な症状を体験してきた慧月が「蟲毒」の可能性へ気づき、その知識を持つ人物として朱雅媚を疑い始めました。

さらに金家を装った嫌がらせの調査も重なり、第9話になると物語の焦点は「誰が怪しいのか」から、朱雅媚につながる陰謀をどう止めるかへ移っていきます。

原作小説1〜2巻、漫画1〜4巻まで読めば、慧月は入れ替わりの実行者ではあるものの、事件全体を設計した黒幕ではないという構図がよりはっきり分かります。

ここは本作のタイトルにもつながる重要な反転です。

最初から「悪女」と呼ばれていた慧月の後ろに、善良で慈悲深いと思われていた雅媚がいる。

人物の評判と内面が一致しないという構造そのものが、『ふつつかな悪女ではございますが』らしい仕掛けになっています。


玲琳を苦しめた呪いの正体は?蟲毒と破魔の弓が手掛かり

玲琳の身体を長く苦しめていた異常には、朱雅媚が関わる蟲毒の呪いが影響していました。

この真相へ近づくきっかけになったのが、皮肉にも玲琳と慧月の入れ替わりです。

黄玲琳は幼い頃から非常に病弱でした。

周囲も本人も、「玲琳はもともと身体が弱い」という前提で日々の体調不良を受け止めています。

しかし入れ替わりによって、道術の知識を持つ慧月が玲琳の身体でその苦しさを直接経験することになりました。

すると慧月は、単なる虚弱体質だけでは説明しにくい違和感へ気づきます。

大きな手掛かりになったのが、破魔の弓の弦音を聞くと玲琳の身体の状態が和らぐことでした。

魔を祓う性質を持つものによって症状が弱まる。

それなら原因は病気だけではなく、何らかの術や呪いではないか――。

慧月はそう推測し、蟲毒へたどり着いていきます。

さらに玲琳の部屋にある香炉にも蟲毒が仕掛けられていたことが判明します。

慧月が知る範囲では、この術についての知識を持つ重要人物の一人が朱雅媚でした。

以前、慧月自身が雅媚へ術について話していたためです。

玲琳の慢性的な体調不良。

破魔の弓によって状態が改善する現象。

香炉。

蟲毒。

そして朱雅媚。

これらが重なったことで、それまで「生まれつき病弱だから」で片付けられていた玲琳の症状が、一連の事件を解く重要な手掛かりへ変わりました。

そしてさらに事態を大きくするのが、皇后・黄絹秀にも玲琳と似た異変が生じることです。

玲琳一人だけなら、玲琳個人を狙った嫌がらせとも考えられます。

ところが皇后まで害される状況が発生したことで、朱雅媚の狙いが玲琳だけに向いていたわけではないことが見えてきます。

原作で描かれる経緯から、玲琳は結果として雅媚の策を妨げる役割を果たしていたと考えられます。

病弱な玲琳は衛生管理に非常に気を配っていました。

さらに身体を鍛えるため弓の鍛錬を続け、その破魔の弓の弦音が結果的に呪いを弱めていたのです。

その意味では、玲琳は本人の自覚がないまま、雅媚の計画にとって厄介な存在になっていたと見ることができます。

ここで重要なのは、「玲琳が皇后を守る結界だった」と作品内でそのまま説明されているわけではないことです。

ただ、破魔の弓と蟲毒の関係、玲琳を遠ざける必要性を合わせて読むと、玲琳の存在と日々の行動が結果的に呪いの進行を阻害していたという構図は読み取れます。

※画像はAIによるイメージ

朱雅媚はなぜ朱慧月を利用した?入れ替わり事件の目的を整理

朱雅媚は慧月の玲琳に対する劣等感を利用し、玲琳を雛宮から遠ざける方向へ事態を動かしました。背景には皇后・黄絹秀を狙う陰謀があります。

ただし、「玲琳と慧月の二人を同時に消すことまで最初から完全に計画していた」と断定するより、作中で確認できる行動と結果を分けて考える方が安全です。

雅媚は、慧月が玲琳に強い劣等感を持っていることを理解していました。

玲琳は美しく、愛され、皇太子妃候補として高く評価される存在です。

一方の慧月は周囲から悪女として扱われ、人間関係にも恵まれていませんでした。

雅媚はそんな慧月の感情を和らげるのではなく、玲琳との比較を通じて刺激していきます。

その結果、慧月の中で「玲琳になれば自分も愛される」という思いが膨らみ、禁術による入れ替わりへつながりました。

雅媚から見れば、慧月自身の手で玲琳が雛宮から排除される展開になれば、自ら表立って玲琳を攻撃する必要がありません。

しかも慧月は「悪女」という評判をすでに背負っています。

玲琳の魂が慧月の身体へ移ったとしても、周囲からは慧月として扱われるため、玲琳本人がどれだけ潔白を訴えても簡単には信用されません。

一方、慧月は玲琳の身体を手に入れましたが、その身体は想像以上に病弱で、さらに蟲毒の影響まで受けていました。

結果だけを見れば、入れ替わりは玲琳だけでなく慧月にとっても非常に危険な状況を生みます。

ここから「雅媚にとって二人とも都合よく排除できる展開だった」と考えることはできますが、これは事件の結果から読み取れる分析として分けておきたいところです。

そして雅媚にとって最大の誤算になったのが、玲琳と慧月が互いの立場を理解し始めたことでした。

玲琳は慧月の健康な身体へ入ったことで、これまでできなかったことを楽しみ始めます。

自分を陥れた慧月の身体だからと悲観するのではなく、走れる、働ける、自由に動けるという事実を喜んでしまう。

一方の慧月は、憧れていた玲琳の身体に入ったことで、玲琳が決して「何の苦労もない完璧なお嬢様」ではなかったと知ります。

猛烈な体調不良を抱えながら、玲琳は日々の努力と鍛錬を続けていました。

さらに玲琳本人と向き合う中で、慧月は自分の嫉妬の奥にあった憧れにも気づいていきます。

「玲琳を壊したい」という気持ちだけではなく、「玲琳のようになりたかった」という思いがあった。

この変化によって、慧月は雅媚の意図通りに動くだけの存在ではなくなります。

僕が物語構造として特に重要だと考えるのはここです。

雅媚は慧月の固定された感情を利用しましたが、入れ替わりによって慧月自身の見方が変わってしまった。

黒幕の計画を崩した大きな要因は、力の強さ以上に「相手への認識が変化したこと」だったと読めます。


金雅容の正体は?金家を疑わせた工作も朱雅媚へつながる

金家の上級女官を名乗る「金雅容」は、金家を犯人側に見せるための偽装であり、この工作も朱雅媚へつながっていきます。

事件を追う途中では、金家がかなり疑わしく見えるように状況が作られていました。

慧月に仕える莉莉へ接触した人物は金家側を名乗り、慧月を苦しめるよう働きかけます。

さらに金家から盗まれた衣なども利用され、表面上は「慧月への嫌がらせを行っているのは金家」と思わせる状況が整えられていました。

しかし玲琳が調査を進めると、金清佳本人や金家の行動と一致しない部分が見えてきます。

そこで浮かび上がるのが、誰かが金家の名前だけを利用している可能性でした。

この工作を含めて考えると、朱雅媚の行動には共通点があります。

自分が正面から誰かを攻撃するのではなく、すでに存在する感情や人物評価を利用して、別の誰かが原因に見える状況を作るのです。

慧月には玲琳への嫉妬がある。

金家と朱家には立場の違いがある。

玲琳はもともと病弱だと思われている。

慧月はすでに悪女という評判を持っている。

雅媚はそれらをゼロから作ったわけではありません。

もともと存在していた思い込みの中へ、都合のいい偽装を滑り込ませていたと見ることができます。

※画像はAIによるイメージ

筆者としては、ここが朱雅媚という黒幕の一番怖いところだと感じます。

強力な道術だけが武器なのではありません。

「慧月なら問題を起こしそう」「玲琳ならまた体調を崩しても不思議ではない」「金家なら朱家と対立していてもおかしくない」という周囲の先入観まで、事件を隠す材料として利用しているんですね。

そのため、朱雅媚を単純な「毒や呪いを使う犯人」として見るより、人間関係と評判を操作する策士として見た方が、第1部の事件構造を理解しやすいと思います。


朱雅媚はなぜ皇后・黄絹秀を狙った?過去と黒幕の結末

朱雅媚が黄絹秀への強い憎しみを抱く背景には、雛女時代からの関係、皇后選定、そして出産をめぐる喪失が重なっています。

若い頃の雅媚と絹秀は、現在の関係からは想像しにくいほど親しい間柄でした。

当時は朱雅媚が皇后の本命候補と見られており、黄絹秀自身は妃の地位へ強く執着する人物ではありませんでした。

ところが最終的に皇后へ選ばれたのは絹秀です。

ただ、皇后の座を奪われたという一点だけで雅媚の感情を説明するのは十分ではありません。

その後、雅媚と絹秀は近い時期に妊娠します。

しかし雅媚は子を失い、絹秀は皇太子を無事に出産しました。

さらに淑妃・金麗雅の言葉も重なり、雅媚が抱えていた悲しみや嫉妬は、次第に絹秀への強い憎しみへ変わっていきます。

もちろん、背景を知ることと犯行を正当化することは別です。

慧月の感情を利用し、玲琳を害し、皇后にも危害が及ぶ陰謀を進めた責任は朱雅媚自身にあります。

ただし本作は、黒幕を最初から邪悪だった人物として単純化しません。

かつては親しかった相手だった。

自分にも望んでいた未来があった。

喪失を経験し、自分が失ったものを絹秀が手にした。

その感情を消化できないまま、相手を傷つける方向へ進んでしまった。

この過去があるからこそ、朱雅媚は単なる「悪い人」以上の苦さを残す黒幕になっています。

最終局面では、玲琳と慧月が協力して朱雅媚の陰謀へ立ち向かいます。

二人は蟲毒に対して呪い返しを仕掛け、雅媚も阻止しようと動きますが、玲琳たちの働きによって計画は破綻します。

その後、朱雅媚は捕らえられて失脚し、罪人として流刑となりました。

玲琳と慧月も元の身体へ戻ります。

入れ替わりを起こした当初の慧月は、玲琳の身体を手放したくないと考えていました。

しかし玲琳自身と向き合い、自分が雅媚に利用されていたことや、玲琳の抱えていた苦しみを知ったことで、その考えも変化します。

最終的に二人は、単純な「加害者と被害者」という関係から大きく変わっていきます。

なお、朱雅媚はあくまで最初の入れ替わり編を中心とする第1部の黒幕として捉えるのが正確です。

『ふつつかな悪女ではございますが』では、その後も別の人物による事件や策謀が続きます。

たとえば南領外遊編では藍芳春が慧月を貶めようとする動きへ深く関わるため、朱雅媚をシリーズ全体を通じた唯一のラスボスと考えるのは適切ではありません。


黒幕・朱雅媚の事件は何が面白い?3つの構造から考察

筆者としては、第1部の黒幕編を読み解くキーワードは、「分断」「第一印象」「入れ替わり」の3つだと考えています。

まず雅媚が利用したのは、人と人の間にすでに存在する亀裂でした。

慧月の嫉妬を刺激し、金家へ疑いを向け、玲琳の病弱さを隠れ蓑にする。

雅媚は相手を力で支配するというより、他人同士が疑い合う状況を作ることで自分を安全圏に置いています。

これに対して、玲琳と慧月が雅媚の支配から抜け出すきっかけは「相手を知ること」でした。

玲琳は慧月の身体で、慧月が置かれてきた環境を知る。

慧月は玲琳の身体で、玲琳の見えなかった苦労を知る。

つまり雅媚が分断を利用する人物なら、玲琳たちは理解によってそこから抜け出したわけです。

次に重要なのが「第一印象」です。

物語の序盤では、玲琳は善良な姫、慧月は悪女、朱雅媚は慈悲深い貴妃として登場します。

しかし事件を追うほど、そのラベルだけでは人物の本質を説明できなくなります。

「悪女」の慧月には孤独や憧れがあり、「慈悲深い貴妃」の雅媚には隠された憎しみがある。

これは単なるどんでん返しではありません。

他人から与えられた評判だけで人間を判断すると、本当に起きていることを見誤るという物語全体のテーマにつながっています。

そして最後が「入れ替わり」です。

身体を交換する設定は、最初こそ玲琳と慧月を翻弄するファンタジーギミックに見えます。

しかし第1部を最後まで見ると、入れ替わりこそ事件を解決するために必要な装置だったことが分かります。

慧月が玲琳の身体へ入らなければ、玲琳の病弱さの中に蟲毒が隠れていると気づけなかったかもしれません。

玲琳が慧月の立場へ置かれなければ、「悪女」と呼ばれる彼女の周囲で何が起きていたのかを自分の目で確かめる機会も得にくかったでしょう。

身体が入れ替わったことで、二人は文字通り「相手の立場」に立ちました。

僕はここに、本作の事件設計の巧さがあると思います。

犯人を見つけるための情報と、二人の関係を変えるためのドラマが、同じ「入れ替わり」という設定から生まれているからです。

朱雅媚は、人は一度抱いた嫉妬や偏見から簡単には変わらないという前提で他人を利用しました。

けれど玲琳と慧月は、互いの現実を知ったことで変わった。

その変化こそが、雅媚の想定を崩していきます。

第1部の決着が印象に残るのは、黒幕を力で倒したからだけではありません。

「悪女」「病弱」「善人」といった固定された人物像そのものがひっくり返った結果、陰謀まで崩れたからだと考えています。


まとめ|『ふつつかな悪女』第1部の黒幕は朱雅媚

『ふつつかな悪女ではございますが』第1部の黒幕は、朱貴妃・朱雅媚です。

玲琳との身体の入れ替わりを実行したのは朱慧月ですが、慧月の嫉妬心を利用し、玲琳への呪いや金家を疑わせる工作、皇后・黄絹秀を害する陰謀へつながっていた中心人物が雅媚でした。

玲琳の異常な体調不良には蟲毒が関係し、破魔の弓の弦音で症状が和らぐことが真相へ近づく大きな手掛かりになります。

また玲琳の行動が結果的に雅媚の策を妨げていたと考えると、玲琳を雛宮から遠ざけることにも黒幕側の利点があったと読み取れます。

最終的には玲琳と慧月が協力して呪い返しを成功させ、朱雅媚は捕らえられて流刑となりました。

そして玲琳と慧月も元の身体へ戻り、当初の敵対関係から大きく変化します。

犯人の名前だけなら「朱雅媚」で答えは終わります。

けれど第1部の面白さは、周囲の偏見を利用して人々を分断した黒幕が、入れ替わりによって互いを理解するようになった玲琳と慧月に計画を崩されるという構造にあります。

ここまで分かったうえで序盤を見返すと、「悪女は誰なのか」という作品タイトルの意味まで、最初とは少し違って見えてくるはずです。


よくある質問

『ふつつかな悪女ではございますが』の黒幕は誰?

第1部の入れ替わり事件、蟲毒、皇后・黄絹秀を狙う陰謀につながる黒幕は朱貴妃・朱雅媚です。玲琳との入れ替わりそのものを実行したのは朱慧月です。

黄玲琳にかけられた呪いの正体は?

玲琳を苦しめていた異常には蟲毒による呪いが関係しています。破魔の弓の弦音によって状態が改善したことが、慧月が単なる病弱さではないと気づく重要な手掛かりになりました。

朱慧月も犯人なの?

玲琳との入れ替わりを自ら実行したという意味では、慧月にも明確な責任があります。ただし事件全体を計画した黒幕ではなく、玲琳への劣等感や嫉妬を朱雅媚に利用された側でもあり、事件後半では玲琳と協力して雅媚の陰謀を阻止します。

執筆:涼風 結人(アニメ情報ナビゲーター)

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