TVアニメ『猫と竜』の本編ナレーションは恒松あゆみさんです。子安武人さんもナレーションを担当していますが、こちらは2025年11月12日公開のティザーPVでの役割です。
「『猫と竜』のナレーションを聞いて、どこかで聞いた声だと思った」「検索したら恒松あゆみさんと子安武人さんの両方が出てきて分からなくなった」という方も多いのではないでしょうか。
結論を先に整理すると、TVシリーズ本編と放送前のティザーPVでは、ナレーションを担当した人が違います。ここを分ければ、「結局どっちなの?」問題は一発で解決します。
「猫と竜」アニメのナレーションは誰?本編とPVの担当を整理
TVアニメ『猫と竜』の本編でナレーションを担当しているのは、声優・ナレーターの恒松あゆみさんです。
恒松さんは2026年7月4日、自身のXで『猫と竜』のナレーションを担当していることを明かし、作品に優しく寄り添う語りを届ける趣旨のコメントを発信しています。
一方、猫竜役の子安武人さんは、2025年11月12日に公開されたティザーPVで録り下ろしナレーションを担当しました。つまり、二人とも「『猫と竜』でナレーションを担当した」という情報自体は間違いではなく、担当した映像が違うわけです。
整理すると次の通りです。
音声の種類 担当 役割
TVアニメ本編 恒松あゆみ 物語全体を案内するナレーション
2025年11月12日公開ティザーPV 子安武人 猫竜の生い立ちや作品世界を紹介する録り下ろしナレーション
本編の猫竜 子安武人 主要キャラクター「猫竜」の声
ですので、「『猫と竜』アニメ本編のナレーションは誰?」という質問への答えは恒松あゆみさん。
「PVでしゃべっていた低くて印象的な声は?」という質問なら子安武人さんです。
この切り分けさえ押さえておけば、検索結果を見ながら「ナレーターが分身した……?」と頭を抱える必要はありません。
なお、アニメ公式サイトのCAST欄では、猫竜役の子安武人さん、ママにゃん役の井上喜久子さん、シロタエ役の和泉風花さん、クロバネ役の速水奨さん、ガリー役の種﨑敦美さん、アンネロッサ役の安済知佳さん、スタン役の榎木淳弥さんら主要キャラクターの担当声優が紹介されています。
ナレーションは通常のキャラクターとは性質が異なるため、キャラクター一覧だけを確認していると恒松さんの名前へたどり着きにくいのも、今回の混乱が生まれやすい理由でしょう。
なぜ子安武人も「猫と竜のナレーション」と出てくる?
子安武人さんが『猫と竜』のナレーション担当として紹介される理由は、放送前に公開されたティザーPVにあります。
2025年11月12日、TVアニメ『猫と竜』が2026年7月から放送されることが発表され、ティザービジュアル、ティザーPV、第1弾キャラクター・キャスト情報などが公開されました。
このとき猫竜役が子安武人さんであることも発表され、ティザーPVには子安さん演じる猫竜による録り下ろしナレーションが使用されています。PVではアニメ映像とともに、猫竜の生い立ちや猫たちとの関係が紹介されました。
ここで面白いのが、子安さんが単なる「宣伝映像のナレーター」として起用されたわけではなく、物語の当事者である猫竜自身の声で世界を紹介している点です。
猫竜は、深い森の奥で暮らす赤い羽を持った火吹き竜。
生まれる前に実親を失い、一匹の母猫に育てられました。猫たちは空を飛んで火を吐く竜を「ちょっと変わった猫」として家族に受け入れ、成長した猫竜も母猫への恩を返すように森の猫たちを見守っています。
猫たちからは「羽のおじちゃん」と慕われる一方、人間からは畏怖を込めて「猫竜」と呼ばれる存在です。これは公式イントロダクションとキャラクター紹介でも明記されています。
つまりティザーPVでは、「この世界にはこんな竜がいます」と第三者に説明させるよりも、猫竜本人の声で作品の入口へ案内するほうがキャラクターを覚えてもらいやすい。
PVとして、かなり理にかなった作りです。
さらにさかのぼると、2025年2月22日の「猫の日」に公開されたアニメ化決定特報PVでは、映像の最後に猫語で話す猫竜の録り下ろしボイスが使用されていました。ただし、この時点では猫竜のキャスト名はまだ明かされていませんでした。
そして約9か月後の11月12日、猫竜役が子安武人さんだと正式発表。
そこで子安さんによるティザーPVナレーションも大きく紹介されたため、放送開始前から追っていた人ほど「『猫と竜』のナレーション=子安武人」という印象を持っていても不思議ではありません。
ただし、放送されたTVシリーズでは恒松あゆみさんが独立したナレーターとして参加しています。
PVでは猫竜本人が物語へ招き、本編では恒松さんが物語そのものを案内する。
この違いを意識すると、『猫と竜』が映像ごとに語り手を使い分けていることが見えてきます。

恒松あゆみのナレーションは本編でどう使われている?
『猫と竜』本編のナレーションで注目したいのは、場面を説明するだけでなく、時間・場所・主人公が変わる物語を滑らかにつなぐ役割です。
これは実際の序盤エピソードを並べると、かなり分かりやすくなります。
第1話「猫と竜」は、魔獣がいる深い森の中で一匹の母猫が出産するところから物語が始まります。
子猫たちを無事に産んだ母猫のそばで、枯葉の下から現れたのは火吹き竜の赤ちゃん。その竜は生まれて間もなく実の母親を失っており、母猫は種族の違う赤ん坊を自分の子として育てることを決めます。
第1話では、視聴者が知らない森の環境、母猫と竜が出会った経緯、竜が猫の家族として育っていく時間の流れなど、最初に理解しなければならない情報が少なくありません。
ここでナレーションがあることで、説明のすべてをキャラクター同士の会話へ押し込まずに済みます。
もし母猫が突然、「そういえばあなたは実のお母さんを亡くしていて、私は種族を超えて育てると決意したのよ」と説明し始めたら……さすがに説明セリフの圧がすごい。
ナレーションが地の文を引き受けることで、キャラクターはキャラクターとして自然に振る舞えるわけです。
そして第2話「母猫と少女」では、舞台も中心人物も大きく変わります。
人間の召喚魔法によって母猫が森から魔法学校へ呼び出され、召喚した少女アンネロッサと出会います。自信を持てないアンネロッサを放っておけない母猫は親代わりとなり、魔法の特訓を始めますが、やがて学校の訓練場が魔界につながる事件が起きます。
第1話では「猫に育てられる竜」の物語だったのに、第2話では一転して「猫が人間の少女を育てる物語」。
舞台も森から魔法学校へ飛びます。
普通の連続ドラマなら、「先週の主人公どこ行った!?」となりかねない切り替わりです。
しかし『猫と竜』は、そもそも一人の主人公だけを追う作品ではありません。公式サイトでも、シリーズをオムニバス形式でアニメ化した作品だと明記しています。
だからこそナレーションが効いてきます。
第1話で猫竜誕生の物語を見届けたあと、第2話では母猫とアンネロッサへ視点を移す。
そのとき毎回共通する語りの温度があることで、舞台が変わっても「別作品が始まった」のではなく、同じ世界の別の場所で起きている物語へカメラが移ったと受け止めやすくなります。
さらに第3話「子猫達と羽のおじちゃん」では再び猫竜と森の猫たちへ焦点が戻り、第4話「黒猫と王子」、第5話「白猫と少女」と、別の猫や人間へ物語の中心が移っていきます。各話の主人公を固定せず、多様な「猫生」と人生を拾っていくのが本作の特徴です。
筆者としては、ここに恒松さんのナレーションを置いた意味が最もよく表れていると感じます。
物語の主役は毎回変わる。でも「この世界を語ってくれる声」は変わらない。
恒松さんの声が、エピソードごとに開く違う扉をつなぐ廊下のような存在になっているんですね。
これは単なる一般論として「オムニバスにはナレーションが合う」と言っているのではありません。
第1話の「竜を育てる母猫」から、第2話の「人間を育てる母猫」へと実際に焦点が切り替わる構成を見ると、固定された第三者の語り手が作品の統一感を支えるメリットが具体的に見えてきます。
もちろん、制作陣が「オムニバス性を守るために恒松さんを起用した」と公式に説明しているわけではありません。
ここはあくまで、各話構成と実際のキャスティングを踏まえた筆者の考察です。
ただ、登場人物が変わっても同じ声が物語を包むという設計は、『猫と竜』のような作品では非常に効果的だと私は感じています。
恒松あゆみはどんな声優?ナレーターとしての実績にも注目
恒松あゆみさんは、81プロデュース所属の声優・ナレーターです。
今回の『猫と竜』だけで突然ナレーションを任された人ではなく、所属事務所の公式プロフィールでも「ナレーション」「語り」のボイスサンプルがそれぞれ用意されているほか、ナレーションや音声ガイドを数多く担当してきた経歴が確認できます。
アニメでは『機動戦士ガンダム00』のマリナ・イスマイール、『Fate/Zero』の久宇舞弥、『BLEACH 千年血戦篇』の曳舟桐生などを担当。
吹き替えでも『エターナルズ』のセルシ、『アウトランダー』のクレア、『ウィッチャー』のイェネファーなど、多数の作品に参加しています。
さらにナレーション分野では『BS世界のドキュメンタリー』『Journeys in Japan』『ふしぎエンドレス』などに加え、美術展や博物館の音声ガイドも担当。
アニメのキャラクター芝居だけでなく、情報を聞き手へ分かりやすく届ける「語り」の仕事を継続してきた人だと分かります。
ここは『猫と竜』のナレーションを考えるうえで、かなり重要なポイントです。
ナレーションというと「良い声で読めば成立する仕事」に見えるかもしれませんが、実際にはキャラクター芝居とは別の難しさがあります。
情報を聞き取りやすく届けながら、映像の邪魔をしない。
感情を乗せながらも、視聴者へ「ここで感動してください」と押し付けすぎない。
特に『猫と竜』は、激しい展開を連発して視聴者を引っ張るタイプではなく、猫や人間、竜の関係をゆっくり味わう作品です。
公式サイトでも、猫に育てられた竜と猫たち、そして人間たちによる「心あたたかく、少し切ない絆の物語」と紹介されています。シリーズ累計発行部数も140万部を突破しており、「小説家になろう」では短編作品として異例の日間ランキング1位を獲得した作品です。
ここでナレーションが感情を先回りしすぎると、作品本来の余韻が薄くなってしまいます。
「はい皆さん、ここ泣くところです!」とナレーターに肩を揺さぶられたら、猫も視聴者も落ち着いていられません。
恒松さん自身が2026年7月4日の投稿で、作品へ優しく寄り添う方向性のナレーションを伝えているのは、この作品との相性を考えるうえで象徴的です。
所属事務所の経歴を見ると、声優としてキャラクターの感情を演じる経験と、ナレーターとして情報を整理して届ける経験の両方を持っていることも分かります。
『猫と竜』では、その二つの技術の間にあるような「物語を読み聞かせる声」が求められているのではないでしょうか。
なお、恒松さんは『猫と竜』でナレーションだけでなく、猫の声も担当したことを自身のSNSで明かしています。
世界の外側から物語を語りながら、しれっと猫として世界の中にも参加している。
絵本を読んでいた人が、次のページをめくったら背景に混ざっていたようなものです。こうした遊び心を知ってから見返すと、「この猫かな?」と声を探す楽しみも増えそうですね。
「猫と竜」で本編とPVの語り手を分けた意味は?筆者の考察
ここからは筆者の考察ですが、子安武人さんと恒松あゆみさんで「語り」を分担したことで、『猫と竜』は作品世界を広く見せやすくなったと考えています。
子安さんが演じる猫竜は、作品を象徴する存在です。
公式サイトでは、猫竜について物語の始まりでは威厳と堅さを持つものの、さまざまな交流を通じて意識が変化していくキャラクターだと、子安さん自身がコメントしています。
まだ誰もアニメ版『猫と竜』を知らなかったティザーPVの段階なら、猫竜本人に語らせるメリットは大きいでしょう。
「この作品には猫に育てられた竜がいる」という最大の特徴を、猫竜役本人の声とアニメ映像で一度に伝えられるからです。
ところが、本編が始まると事情が変わります。
『猫と竜』で描かれるのは猫竜だけの人生ではありません。
第2話ではママにゃんとアンネロッサ、第4話では黒猫と王子、第5話では白猫と少女というように、猫、人間、竜それぞれに物語の中心が移っていきます。
もし本編の地の文まで全部猫竜が担当していたら、作品全体がどうしても「猫竜が知っている物語」「猫竜から見た世界」という印象へ寄りやすくなります。
猫竜本人が登場していない場所でも延々と状況を説明していたら、「羽のおじちゃん、情報網どうなってるの?」という別の疑問まで生まれかねません。
そこで、本編ではキャラクターから独立した恒松さんのナレーションを置く。
子安さんは猫竜として作品世界の内側から語り、恒松さんは登場人物全員を少し離れた位置から見守る。
私は、この距離感の違いが二人の「語り」の最大の違いだと考えています。

そして、この構造は『猫と竜』の原点が短編であることとも相性がいいように思えます。
公式サイトでは、本作が「小説家になろう」で短編作品として日間ランキング1位を獲得した作品であり、アニメもオムニバス形式で展開すると説明されています。
短編やオムニバスでは、一つ一つのエピソードがある程度独立しています。
その分、「毎週続きを追う一本の長いストーリー」とは違う方法で作品全体の統一感を作る必要があります。
その役割を担えるのが、背景美術や劇伴、そしてナレーションです。
『猫と竜』の制作スタッフは、監督がオ ジングさん、シリーズ構成が広田光毅さん、音楽が小畑貴裕さん、音響監督が小沼則義さん、アニメーション制作がOLMです。
作品には魔法、魔獣、竜といったファンタジー要素がありますが、中心にあるのは誰かを育てること、見守ること、旅立つこと、違う種族同士が理解し合うこと。
だからナレーションにも、壮大な世界設定を読み上げる「百科事典」より、一冊の物語を静かに読んでくれる語り手に近い立場が似合います。
実際、第1話から第2話への変化を見るだけでも、この仕組みは分かりやすいです。
竜の赤ん坊を育てた母猫が、今度は人間の少女アンネロッサを育てる側に回る。
「種族が違っても、目の前の相手を家族のように受け入れる」という共通テーマが、舞台もキャラクターも異なる二つの話に流れています。
ナレーションは、そうしたテーマを直接説明する必要はありません。
同じ語り手が二つの物語を同じ温度で包むだけで、視聴者は無意識に「これは同じ世界の、同じ価値観を持った物語なんだ」と受け取りやすくなります。
ここが私が『猫と竜』のナレーションで特に面白いと感じる部分です。
制作側がその意図を明言しているわけではないため断定はできませんが、ナレーションは「説明係」というより、エピソードごとに変わる主人公を同じ世界へ帰属させる音の目印になっていると私は見ています。
TVアニメは2026年7月からTOKYO MX、BS日テレ、読売テレビ、AT-X、長崎文化放送で放送され、dアニメストアとABEMAでは地上波より1週間先行する形で配信されています。
今後さらに登場人物や舞台が増えていけば、この「同じ声に導かれて次の物語へ入る」という感覚は、より重要になっていくかもしれません。
良いナレーションは、必ずしも「たくさんしゃべるナレーション」ではありません。
必要な情報だけを手渡して、あとはキャラクターの表情や芝居、音楽に任せる。
恒松さんのナレーションを意識して聞くと、『猫と竜』がキャラクターの声だけではなく、語りと沈黙まで含めて一つの物語を作っているアニメだと見えてくるはずです。
まとめ:「猫と竜」アニメ本編のナレーションは恒松あゆみ
TVアニメ『猫と竜』の本編ナレーションを担当しているのは恒松あゆみさんです。恒松さん本人も2026年7月4日に担当を公表し、作品へ優しく寄り添う語りを届ける趣旨を伝えています。
一方、猫竜役の子安武人さんが担当したのは、2025年11月12日に公開されたティザーPVの録り下ろしナレーションです。
そのため検索すると二人の名前が出てきますが、「本編=恒松あゆみさん」「ティザーPV=子安武人さん」と分ければ迷いません。
さらに本編を見ると、第1話の猫竜誕生から第2話のママにゃんとアンネロッサ、第3話以降のさまざまな猫や人間へと、物語の中心は次々に変化します。
公式がオムニバス形式とうたう『猫と竜』において、恒松さんのナレーションは単なる説明役ではなく、離れたエピソードを同じ一冊の物語として感じさせる共通の声として機能している――筆者はそこが、このキャスティングの一番興味深い部分だと感じています。
次に『猫と竜』を見るときは、猫竜やママにゃんたちのセリフだけでなく、その少し後ろから物語を支えている恒松さんの声にも耳を傾けてみてください。
何気なく聞いていた一言が、「次の物語へページをめくる音」のように感じられるかもしれません。
よくある質問
「猫と竜」アニメ本編のナレーションは誰ですか?
恒松あゆみさんです。 恒松さん本人が2026年7月4日に『猫と竜』のナレーション担当を公表しています。
子安武人さんも「猫と竜」でナレーションを担当していますか?
はい。2025年11月12日公開のティザーPVで、猫竜役として録り下ろしナレーションを担当しています。TVシリーズ本編のナレーターとは役割が異なります。
恒松あゆみさんはナレーション経験のある声優ですか?
はい。81プロデュースの公式プロフィールには『BS世界のドキュメンタリー』『Journeys in Japan』などのナレーション歴や、多数の音声ガイド担当歴が掲載されています。アニメでは『機動戦士ガンダム00』のマリナ・イスマイールなどを演じています。
執筆:水無月 巡


