『逃げ上手の若君』第二期は、原作4巻第32話付近から8巻第70話「名乗り 1335」まで描かれる可能性が最も高いと予想します。
第二期が全12話であることは公式商品情報から確認できますが、最終回の原作対応範囲は未発表です。そこで、公式発表・放送内容との照合結果・筆者予想を明確に分けて検証します。
『逃げ上手の若君』2期は原作何巻まで描かれる?
現時点の最有力予想は、原作8巻の最終話にあたる第70話「名乗り 1335」までです。
ただし、2026年8月6日時点で、アニメ公式から「第二十四回は原作第70話まで」と発表された事実はありません。
まずは、情報の確度を3段階に分けて整理します。
情報の分類 現時点で分かっていること 根拠
公式発表 第二期は第十三回から第二十四回までの全12話 Blu-ray・DVD第7巻~第12巻の商品情報
放送内容との照合結果 第十三回は原作4巻第32話付近から始まったと判断できる 鯛、由比ヶ浜、伊豆のワサビ、足利による鎌倉統治などが原作と一致
筆者予想 最終回は8巻第70話「名乗り 1335」が最有力 消化ペース、PVの表現、物語の区切りを総合
条件付き予想 第70話まで進む場合、中先代の乱の開幕が描かれる 8巻で挙兵と時行の名乗りが描かれる
可能性が低い 第二期だけで鎌倉奪還まで完了する 奪還へ向かう本格的な進軍は9巻以降も続く
2026年7月18日に発表された第二期Blu-ray・DVDは、第7巻から第12巻までの全6巻構成です。
第7巻には第十三回と第十四回、第12巻には第二十三回と第二十四回が収録されるため、第二期が全12話であることは公式情報として確認できます。
一方、「4巻第32話から8巻第70話まで」という範囲は、放送内容と原作を照らし合わせたうえでの予想です。
ここを一緒くたにすると、公式が原作範囲まで発表したように見えてしまいます。若君は華麗に逃げても、事実と予想の境界線まで逃がしてはいけません。
また、2026年7月4日に公開された第二期メインPVでは、逃若党が「鎌倉奪還へ向けて動き出す」と紹介されました。
「鎌倉を奪還する」ではなく、「奪還へ向けて動き出す」です。この表現からも、第二期の到達点は鎌倉奪還の完了ではなく、時行が挙兵して歴史の表舞台へ出る段階だと考えられます。
第二期は原作4巻の何話から始まった?
放送内容と原作を照合すると、第二期の第十三回「もう一度、食べタイ!」は、原作4巻第32話「刺身 1334」付近から始まったと判断できます。
これは公式が原作話数を明記したものではなく、登場する料理、人物の行動、鎌倉の状況などを比較した結果です。
第一期最終回の第十二回では、時行と逃若党が、保科軍や領民を逃がす撤退戦へ挑みました。
公式あらすじでも、数で劣る保科軍を率いる時行が、得意の「逃げ」を生かして将になれるかが焦点として示されています。
続く第十三回では、諏訪で暮らす時行が、鎌倉で食べていた鯛を思い出します。
公式あらすじには、次の要素が記載されています。
- 由比ヶ浜でとれた新鮮な鯛
- 伊豆のワサビと醤油
- 故郷・鎌倉を思い出す時行
- 海を目指して出発する逃若党
- 足利による鎌倉の新たな統治
- 足利側が民衆から支持を得ている現実
これらは、原作第32話付近から始まる一連の展開と重なります。
したがって、アニメ第一期の続きを漫画で読みたい方は、4巻第32話付近から読むのが最も分かりやすい目安です。
アニメで省略された会話や演出の違いまで楽しみたい場合は、第一期終盤にあたる第31話付近から読み直すと、撤退戦から鯛のエピソードへ自然につながります。
第十三回から第十五回までの原作消化ペース
2026年8月6日時点で放送済みの第十三回から第十五回を照合すると、おおむねアニメ1話につき原作約3話分のペースで進んでいます。
- 第十三回対応範囲の目安:第32話~第34話付近主な内容:鯛を求める逃若党、足利による鎌倉統治、時行と鎌倉の民の認識の違い
- 第十四回対応範囲の目安:第35話~第37話付近主な内容:小笠原貞宗による正体追及、守護館での言葉の戦、亜也子の芸を生かした援護
- 第十五回対応範囲の目安:第38話~第40話付近主な内容:清原信濃守の侵攻、祢津・望月・海野の参戦、逃若党による伝令任務
第十四回の公式あらすじでは、貞宗が「長寿丸」を北条一族や重臣の子ではないかと疑い、時行を単独で守護館へ呼び出します。
原作5巻の公式紹介にも、時行が貞宗との一対一の舌戦に臨み、正体を隠しながら言葉の矢をかわす展開が記載されています。アニメと原作の対応を判断するうえで、かなり分かりやすい一致です。
第十五回では、清原と貞宗の連合軍に対抗するため、諏訪神党の三大将である祢津・望月・海野が参戦します。
逃若党は複数の戦場をつなぐ「絶対に捕まってはいけない伝令役」を担当します。敵を倒すだけでなく、逃げながら情報を届けること自体が軍の勝敗を左右する段階へ進んだわけです。
第一期は原作第1話から第31話付近までを全12話で描いたため、単純平均ではアニメ1話につき約2.6話分でした。
第32話から第70話までは39話分です。全12話で描くには、平均して1話あたり約3.25話分を消化する必要があります。
第二期序盤の約3話ペースより少し速いものの、到達不可能な数字ではありません。
会話や心理戦を丁寧に見せる回では2~3話分、移動や戦闘が続く回では3~4話分をまとめれば、第70話まで収める余地があります。
原作4巻から8巻では何が描かれる?
第70話まで進む場合、第二期は、長寿丸として正体を隠す北条時行が、自ら本名を明かして挙兵するまでの物語になります。
単に戦いの規模が大きくなるだけではありません。
時行の「逃げ」が、生き残るための個人技から、仲間や軍勢を勝利へ導く戦術へ変わっていく区間です。
原作4~5巻|故郷への思いと貞宗の追及
4巻後半では、鯛の刺身をきっかけに、時行が故郷・鎌倉への思いを強くします。
しかし、現在の鎌倉では足利による統治が始まり、民衆も新しい秩序を受け入れつつあります。
時行にとって鎌倉は「奪われた故郷」ですが、そこで暮らす人々にとっては、戦乱後の生活を立て直す場所でもあります。
つまり、足利を倒せば全員が喜んで一件落着、とはいきません。
おいしい鯛を探す話かと思ったら、統治の正当性まで突きつけてくる。松井優征先生、歴史の包丁までよく研いでいらっしゃいます。
5巻では、小笠原貞宗が長寿丸の正体へ本格的に迫ります。
剣や弓ではなく、質問によって時行を追い詰める「言葉の戦」です。
返答を誤れば正体が露見し、逃げ場のない敵陣で命を失いかねません。そこで時行は、相手の視線や意図を読み、言葉そのものから逃げ切ろうとします。
その後の信濃動乱では、逃若党が伝令役として戦場を駆けます。
第一期の時行は、自分や目の前の人々を生かすために逃げていました。
第二期では、離れた部隊へ情報を届け、軍全体を動かすために逃げます。逃走能力が軍略へ進化する重要な転換点です。
原作6巻|頼継との対決と京への旅
6巻では、諏訪頼重の孫・諏訪頼継が登場し、時行へ対抗心を燃やします。
頼継は諏訪の神の座を継ぐ存在ですが、祖父の頼重が時行を特別に扱うことへ不満を抱いています。
両者は諏訪大社での居場所を懸け、鬼ごっこのような勝負を繰り広げます。集英社による6巻の紹介でも、頼継から勝負を挑まれた時行が、妨害部隊の猛攻をかわす展開が示されています。
「子ども同士の鬼ごっこなら平和そう」と思いたいところですが、本作の鬼ごっこは妨害部隊つきです。
遊びの皮をかぶった権力争い。鎌倉時代末期、子どもの遊びにも政治が混ざります。世知辛い。
その後、北条泰家の手引きによって時行たちは京へ向かい、佐々木道誉の娘・魅摩と出会います。
魅摩は足利側につながる家の娘ですが、時行とは敵味方の枠だけでは割り切れない関係を築きます。
この出会いによって、「北条側は善、足利側は悪」という単純な構図がさらに崩れていきます。
政治的には敵であっても、個人としては友情や敬意が生まれる。本作が歴史上の陣営だけで人物を決めつけない作品だと分かる区間です。
原作7巻|楠木正成との出会いと尊氏暗殺計画
7巻では、時行が後醍醐天皇に仕える軍神・楠木正成と出会います。
集英社の7巻紹介では、帝を狙う計画に備えて脱出経路を調べる時行が正成と遭遇し、彼から逃げの極意を学ぼうとする流れが示されています。
正成は時行と同じ陣営の人物ではありません。
それでも、少数の兵で大軍を翻弄する正成の戦い方には、時行の「逃げて勝つ」という能力と通じるものがあります。
敵側にいる英雄から、自分の強みの使い方を学ぶ。
これは時行が、北条家の常識だけで戦うのではなく、時代を生き抜くあらゆる知恵を吸収していくことを意味します。
さらに、逃若党は足利尊氏へ接近します。
吹雪が立案した策をもとに尊氏暗殺計画が実行され、第一期では遠い存在だった最大の敵が、時行の手の届く距離まで近づきます。
尊氏は単純に強いだけでなく、人を引きつける魅力と、理屈では説明しきれない不気味さを併せ持つ人物です。
時行が故郷を取り戻すには、武力だけではなく、この異様な求心力とも向き合わなければなりません。
原作8巻|挙兵と第70話「名乗り」
8巻では、鎌倉奪還を目指す諏訪神党が兵を挙げ、小笠原軍と対峙します。
集英社の8巻紹介には、瘴奸との最後の戦い、小笠原貞宗と諏訪頼重の直接対決、清原信濃守との戦い、そして時行が日本中へ名乗りを上げる展開が記載されています。
最大の節目となるのが、第70話「名乗り 1335」です。
長寿丸として身を隠してきた時行が、自ら北条本家の後継者・北条時行であると世に示します。
第二期序盤の貞宗との問答では、時行は正体を知られないために言葉を選びます。
対して第70話では、自分の意思で隠してきた名前を明かします。
正体を隠す「問答」から、正体を明かす「名乗り」へ。
この対称構造が、第70話を第二期最終回の有力候補に押し上げています。

なぜ8巻第70話「名乗り」が最有力なのか?
第70話が有力なのは、単に「8巻の最後で区切りがよいから」ではありません。
全12話の消化ペース、公式PVの言葉、主人公の成長、第一期最終回との対比という4点がきれいに重なります。
全12話で到達できる現実的な範囲だから
第32話から第70話までは39話分です。
全12話で割ると、1話につき平均約3.25話分となります。
第十三回から第十五回までが、おおむね1話につき原作約3話分で進んでいるため、中盤以降の戦闘回で少しだけペースを上げれば届く計算です。
ただし、余裕がたっぷりあるわけではありません。
魅摩や楠木正成との会話、尊氏へ接近する場面などを丁寧に描けば、第67話から第69話付近で終わる可能性も残ります。
そのため、現時点の予想順位は次の通りです。
- 最有力:8巻第70話「名乗り 1335」まで
- 次点:8巻第67話~第69話付近まで
- 可能性が低い:9巻の鎌倉進軍を大きく消化
- 極めて考えにくい:第二期だけで鎌倉奪還まで完了
PVの「奪還へ向けて動き出す」と一致するから
公式PVの紹介文は、逃若党が「鎌倉奪還へ向けて動き出す」としています。
8巻の挙兵と名乗りは、まさに鎌倉を取り戻すために時行が公の舞台へ立つ場面です。
一方、鎌倉へ進軍し、足利側の軍勢と本格的に戦う展開は9巻以降へ続きます。
PVの表現を素直に読むなら、第二期は「鎌倉を取り戻した時行」ではなく、「鎌倉を取り戻す者として立ち上がった時行」を描くシーズンだと考えられます。
第一・第二期を通じた成長の区切りになるから
第一期最終回の第十二回では、時行が保科軍と領民を逃がす撤退戦へ挑みました。
あの戦いで時行は、自分一人が逃げる少年から、大勢の命を逃がす将へ成長しています。
第二期の最終回が第70話なら、成長はさらに一段進みます。
今度は名前を隠して守られる少年から、自分の名前によって兵を集め、軍を動かす当主になるからです。
第一期の区切りが「逃げを命令できる将の誕生」だとすれば、第二期の区切りは「名を掲げて進軍を命令できる主君の誕生」になります。
この二段階の成長は、アニメのシーズン構成として非常に収まりがよいと筆者は考えます。
鯛の記憶から名乗りへ感情がつながるから
第二期は、時行が鎌倉で食べた鯛を思い出すところから始まりました。
鯛は単なる好物ではありません。
失われた家族、暮らし、海、由比ヶ浜など、時行が奪われた故郷の記憶を呼び起こすものです。
序盤では、時行の鎌倉への思いは個人的な郷愁として描かれます。
しかし第70話では、その思いが「北条時行として鎌倉を取り戻す」という公的な決意へ変わります。
故郷を思い出す少年から、故郷を取り戻す軍の主へ。
この感情の変化まで含めると、「鯛」で始まり「名乗り」で終わる構成には、物語上の強い一本線が生まれます。
鯛を食べたい少年が、12話後には反乱軍の旗頭になる。
振り幅が豪快です。普通ならグルメ回の次は別の名物を探しそうなものですが、若君は鎌倉そのものを取り戻しに行きます。
第二期で中先代の乱や鎌倉奪還まで進む?
第二期では、中先代の乱の開幕まで描かれる可能性はありますが、鎌倉奪還までは進まない可能性が高いでしょう。
これは「第70話まで進む」という予想が当たった場合の見通しです。
中先代の乱は1335年、北条時行が諏訪頼重らとともに挙兵し、鎌倉を目指した戦いです。
8巻の名乗りは、この戦いが本格的に動き始める合図にあたります。
ただし、名乗りを上げた直後に鎌倉へ到着するわけではありません。
集英社の9巻紹介では、名乗った時行に小笠原貞宗が単騎で急襲を仕掛け、その後、鎌倉進軍を知った足利直義が関東庇番衆を配置すると説明されています。
つまり、第70話は鎌倉奪還のゴールではなく、長い進軍のスタート地点です。
第二期だけで鎌倉奪還まで描こうとすれば、次の重要な展開を全12話へ詰め込む必要があります。
- 貞宗との問答
- 信濃動乱
- 頼継との対決
- 京での魅摩との出会い
- 楠木正成との交流
- 足利尊氏暗殺計画
- 諏訪神党の挙兵
- 小笠原軍との戦い
- 名乗り後の信濃出発
- 関東庇番衆との連戦
- 鎌倉への進軍と奪還
これでは、登場人物の関係や歴史的背景を描く時間がかなり削られてしまいます。
第一期と第二期序盤が、会話や人物の感情をきちんと積み重ねていることを考えると、そこまで極端に圧縮する可能性は低いとみます。
したがって、「第二期で中先代の乱が描かれる」という表現は大きく間違っていません。
より正確に言うなら、中先代の乱を完結まで描くのではなく、乱の始まりとなる挙兵と名乗りまで進む可能性が高いという整理になります。
筆者としては、第70話の名乗りで本編を締め、エンディング後に貞宗の反応や次なる追撃を短く映す構成も考えられると思います。
本名を明かした直後に、最大級の追手が迫ってくる。
「やっと堂々と名乗れた!」と安心する間もなく次の危機です。さすが逃げ上手、逃走の予定表がびっしり埋まっています。
ただし、第二十四回の内容や続編に関する正式発表はまだありません。
第70話まで進むかどうかは、今後の放送で原作の消化速度を確認しながら判断する必要があります。
まとめ
『逃げ上手の若君』第二期は、原作4巻第32話付近から8巻第70話「名乗り 1335」まで描かれる可能性が最も高いと予想します。
公式の商品情報から確認できるのは、第二期が第十三回から第二十四回までの全12話であることです。
第十三回が4巻第32話付近から始まったという点は、放送内容と原作を照合した結果であり、公式が原作話数を発表したものではありません。
第十三回から第十五回までは、アニメ1話につき原作約3話分のペースで進んでいます。
中盤以降の戦闘回で少し速度を上げれば、第70話まで到達する計算は成り立ちます。
また、第二期序盤では貞宗に正体を隠す「言葉の戦」が描かれ、8巻第70話では時行が自ら本名を明かします。
正体を隠す長寿丸から、名を掲げて兵を率いる北条時行へ。
この変化が第二期の軸になるなら、第70話「名乗り」は、全12話を締めくくる最も鮮やかな到達点になりそうです。
一方、名乗り後の鎌倉進軍や関東庇番衆との戦いは9巻以降へ続きます。
そのため、第二期では中先代の乱の開幕まで進んでも、鎌倉奪還そのものは次のシーズンへ持ち越される可能性が高いでしょう。
よくある質問
『逃げ上手の若君』第二期は全何話ですか?
第二期は、第十三回から第二十四回までの全12話です。
公式Blu-ray・DVD第7巻に第十三回・第十四回、第12巻に第二十三回・第二十四回が収録されます。
アニメ第一期の続きは原作何巻から読めますか?
放送内容と原作の照合結果では、原作4巻第32話「刺身 1334」付近から読むのが目安です。
アニメとの演出差や第一期最終回からのつながりも楽しみたい場合は、第31話付近から読み直すとよいでしょう。
第二期で鎌倉奪還まで描かれますか?
鎌倉奪還までは描かれない可能性が高いと予想します。
第二期は8巻の挙兵と名乗りまでが有力で、名乗り後の鎌倉進軍や関東庇番衆との戦いは9巻以降へ続きます。
文:水無月 巡(アニメ愛好フリーライター)

